「エイムポイントも、ボールの線も…」ベストスコア“66”の稲見萌寧がやめたコト

笑顔あふれる猛チャージ(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇ヒルトン・グランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ 3日目(20日)◇レイクノナG&CC (フロリダ州)◇6608yd(パー72)

ここまで2日間はいずれも「75」と苦しんでいた稲見萌寧が、この日ベストスコアとなる「66」をマーク。通算イーブンパー23位まで順位を上げ、米ツアー本格デビュー戦の最終日に弾みをつけた。

猛チャージのスタートは前半14番。ティイングエリアが大きく前に出され、232ydのパー4となった1オンチャレンジのホールだった。「自分の中で完ぺきなショットが打てた」とうなずく1Wショットは、グリーンへの最短ルートを通すフェードボール。右手前のバンカーから15ydの寄せも、カップへ吸い込まれる前から確信したように58度のウェッジを高々と掲げた。

持ち味のショットからバーディを奪う場面も(撮影/田辺安啓(JJ))

「イメージ通りに行けて、最初にイーグルで流れをつかめたのが大きかった。きのう、おとといとラッキーとかもなかったので、それが来てくれて、メチャクチャうれしかった。手がジンジンするくらいハイタッチしました」

笑顔がはじける今季初イーグルで勢いに乗ると、後半にも4バーディを追加した。「この2日間で“ショットバーディ”が獲れていなかった。それを結構獲れたのが、すごく良かった」と内容にも手応えを深める。

グリーン上で貪欲に変化を取り入れている(撮影/田辺安啓(JJ))

ルーキーとしての新たな挑戦は貪欲そのもの。2日目の後半からグリーンの読み方を変えたように、日本での成功体験に甘んじる気配もない。

「いったん(指をかざしてグリーンの傾斜を読む)エイムポイントも置いておいて、ボールに(ラインに合わせるための)線を引くのもやめて…。きょうは、さらに変化をグレードアップさせてチャレンジしてみました」。より一層、自らの感覚を研ぎ澄ませた結果の急浮上だった。

オーバーパーから巻き返した(撮影/田辺安啓(JJ))

「アンダーが出る気配がしなかったので、60台が出てホッとしたというのもそうですし、きょうは全て楽しく回れた」という充実のラウンド。未知の環境で、早速ひとつの収穫を手にした。

「毎回同じ環境ではないと思うので、これからも(状況に)合わせて、応用力をつけていけたら。引き続き良いプレーができるように」。立ち止まることなく、ラスト18ホールへ。トップ10グループとの5打差も射程圏内だ。(フロリダ州オーランド/亀山泰宏)

元NFL選手のカイル・ルドルフ氏とラウンド(撮影/田辺安啓(JJ))

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