「人生のスクラップブックに残る瞬間のひとつ」、指揮官としてローマ初陣飾ったデ・ロッシ監督は喜びと共に安堵

ローマ初陣を白星で飾ったデ・ロッシ監督[写真:Getty Images]

ローマの指揮官としての初陣を飾ったダニエレ・デ・ロッシ監督が、ジャッロロッシでの初采配を振り返った。

今シーズンここまでのセリエAで9位に低迷するローマは、16日にジョゼ・モウリーニョ監督を解任。その後任としてクラブのレジェンドであるデ・ロッシ監督を招へい。

現役時代のローマ、イタリア代表での実績は申し分ない40歳の青年指揮官だが、イタリア代表のテクニカルコーチを経て2022年10月に初監督を務めたセリエBのSPALでは就任半年でわずか3勝に終わって解任。そのため、古巣での初陣に向けてその手腕を疑問視する声も少なくなかった。

そういったなか、20日に行われたセリエA第21節のエラス・ヴェローナ戦では攻守両面で課題を残したものの、FWロメル・ルカク、MFロレンツォ・ペッレグリーニのゴールを守り切って2-1の勝利。ジャッロロッシでの初采配でチームにリーグ戦4試合ぶりの白星をもたらした。

同試合後、デ・ロッシ監督はクラブ公式チャンネル『ローマTV』で自身の初采配を振り返った。

「良い結果となった」

「(初采配の感想は)楽しかった。ファンとして試合を見に来たときは、いつも大きな愛情があった。街では常に愛情を感じている。それは決して欠かすことがないし、彼らは私を支えてくれる。だが、今の私には違う役割がある。そういった意味では大きな感情を感じたが、他方では私にはやるべき仕事があって大きな緊張を感じた」

「私はそのふたつのことを調和させようと努めていたし、何よりも試合の終わりに人々に感謝したいと思っていた。試合中に彼らが私の名前を呼んでいるのを聞き、これ以上嬉しいことはなかったよ」

「前半は本当に良かったと思う。またこういった試合を見たい。ただ、後半のように前半と同じことをゆっくりやってしまうと難しくなる。それは相手にとって予測可能になるからだ。そして、フィジカル的にもヴェローナには素晴らしいエネルギーがあり、素晴らしい足を持っており、前半に我々がライン間でプレーできたボールを奪うのは彼らにとって簡単だったと思う」

「(少ないタッチでの縦への前進)それは我々が最初に触れ、取り組んだことのひとつだ。支配力、ボールマネジメントが重要だと思う。しかし、繰り返すが、これらのイメージは、ワンタッチで行う場合、素早く行う場合、そして相手の圧力を克服するという考えを持って行う場合、それが理にかなっていることを理解させなければならない。そうしないとゲームをコントロールできずにスリープ状態に陥ってしまう」

「チームは準備ができており、よく訓練されており、優れたフィジカルを持っている。ゆっくりと戦えば、ボールポゼッションでうまくいかなくなる。常にプレッシャーラインを突破し、奥行きを攻撃することを目的として、素早くボールを奪えれば、我々のプレーヤーたちと一緒に楽しめると思う」

さらに、この試合で決勝点を挙げた、後輩で現カピターノのペッレグリーニについても言及。指揮官として叱咤激励しつつ、過去に同じ苦しみを味わった先輩としての思いやりを見せた。

「彼は我々の中で最も重要なベストプレーヤーの一人であり、我々がイタリアに持つ最も偉大な才能の一人である。個人的に彼は試合の継続性を見つける必要がある。彼は多くのボールに触れなければならないし、それからよりエリア内に入って行く必要がある。なぜなら、彼はゴール前で常に複数のゴールを決めることができる資質を備えているプレーヤーだからだ」

「彼は以前の私と同じ役割を担っており、カピターノであり、物事がうまくいかないときは、我々ローマ人も責任に直面するのは正しいことだ。なぜなら、我々はとても多くの愛と名誉を持っているからだ。しかし、我々はチーム全体でそれを負担しなければならない。このようなことは起こるものだが、彼は問題なく対処できる」

「時々顔を合わせてきたこの数年間でずいぶんと成長した少年の姿が見えたよ。彼は今週、真のリーダーのように振る舞った。私は彼にとても満足している。ただ、彼は後半に入って少し調子を落とした。我々全員がもっと良くしなければいけないが、私は前半の彼が本当に好きだったよ」

なお、いずれも途中交代となったパウロ・ディバラとレオナルド・スピナッツォーラの2選手に関しては前者が予防、後者はケガをしたものの深刻なものではないと説明。

「ディバラは大丈夫なようだし深刻なことは何もない。ただ、彼はピッチ上で無理できる状態ではなかった。スピナッツォーラはケガをしたかもしれないがそれも深刻なものではない」

最後に、勝利後にクルヴァ・スッド(ホームゴール裏)での挨拶に対する感想を求められたローマ人は、「キャリアのスクラップブックに残る瞬間のひとつ」と喜びを噛みしめている。

「これは私の人生、キャリアのスクラップブックに残る瞬間のひとつだ。何年も前、『ローマに与えられるキャリアが2つあれば』と冗談を言った。確かに、おそらく2番目のものが与えられた。それがどれくらい続くか見てみよう」

「今はそれを楽しまなければならないし、他方ではまさに我々の肩にかかっているからこそ200パーセントの力を出し切らなければならない。しかし、私の肩には、我々が20年間一緒にいたことを決して忘れさせない彼らの愛があるんだ」

「今日、彼らが私を歓迎してくれ、それが正しいことだと思ったからクルヴァに挨拶に行った。ただ、毎回クルヴァを訪れたり、ピッチを回ったりするつもりはないよ」

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