那覇市のライブハウス「Output」の店長・上江洲修さんがプロデュースし、楽曲の多くを沖縄県内のアーティストが作曲する2人組のご当地アイドル「はいびす倶楽部」。沖縄民謡をダンスミュージックテイストにアレンジした曲があるなど“従来のアイドル像”とは違った魅力を放ち、県内外のイベントに出演するなど活動の幅を広げている。
2021年4月の活動開始から3年弱が過ぎる中、メンバーのはるしゃとせいねに、はいびす倶楽部のこれまでとこれからを聞いてみた。(フリーライター・長濱良起)
-幅広いジャンルの楽曲が特徴的です。作曲陣はどなたですか?
はるしゃ「楽曲制作の多くは、Home Party Peopleの田中秀太郎 aka マシューさんやSOLVALSのBig-Dさんがアレンジしてくれています。他にもそれぞれ『Blue Sky』はメカルジンさん、『Parametric E.Q』はcainoさんのカバー曲です」
-キレの良いダンスが目を引きますが、振り付けはどなたが担当しているんですか?
はるしゃ「最近はせいねが作ってくれています」
せいね「高校時代はダンス部でした。K-POPをたくさん踊っていました」
はるしゃ「私ははいびす倶楽部を始める前は、歌もダンスも全くやったことがありませんでした。もともとタレント活動をしていて、表に立つ活動に興味がありました。アイドルを見るのは好きだったので、やってみたいという気持ちがありました」
-はいびす倶楽部も活動3年目となりました。活動の原動力はどこにありますか?
はるしゃ「せいねがいるから続けられています」
せいね「私もです。お互いがいるから続けていると思います。もし1人になったら、私はもう辞めていますね」
はるしゃ「他のグループに入ろうとは思わないです」
-はいびす倶楽部さんの、他には負けない強みを教えてください。
せいね「そもそも雰囲気がアイドルっぽくないというか、(従来のアイドルとは)違う気がします」
はるしゃ「一応、自分たちのことをアイドルとはうたっているんですが、楽曲もアイドルっぽくなくて。はいびす倶楽部の曲は、沖縄のアーティストさんが楽曲を提供してくれたり、民謡のカバーをしたりしていて、『沖縄のレトロな風景を思い出させてくれる』がコンセプトです」
-2023年9月にとわさんが卒業して2人態勢となりました。どのような変化がありましたか?
はるしゃ「ダンスのフォーメーションが変わりました。ステージが広く感じます(笑)」
せいね「ステージの見栄えは2人よりも3人の方が良いなとも思いますが、ダンスの動きを合わせやすくなってパフォーマンスが上がったと思います」
はるしゃ「歌についても、私とせいねの声の相性が良いと言ってもらえるようになって、3人の時にはなかったハモリを加えるようになりました」
-これまでの活動を振り返ってみていかがでしょう?
せいね「ひと言でいうと、『早っ!』って感じです。県外に遠征ライブに行かせてもらったり、どんどんオリジナル曲が増えたり。1年目の時点でオリジナル曲だけの30分ステージができたのはすごいと思います」
はるしゃ「上江洲さんが長年(東京と沖縄の)ライブハウスで培ってきたつながりがすごいなと思います」
せいね「上江洲さんから出てくる名前がすごいんですよ。絶対に自分たちだけでは共演できない人たちと共演させてもらいました。『First X'mas』のCDが渋谷のタワーレコードに並んだのがきっかけで、2022年7月には、アイドル系の有名なイベント『吉田豪×南波一海の"このアイドルが見たい"』にも出演できました」
はるしゃ「(活動開始からは3年弱ですが)実際はまるっと活動しているのは多分1年半ぐらいなんですよ。活動休止をしていた時期が2回あって」
せいね「そのうち1回は私がアメリカに行っていて、5カ月ぐらい休止していました。アメリカにいるいとこと一緒に過ごしていました。いとこの引っ越しに合わせてノースカロライナ州、ジョージア州、フロリダ州の3カ所にいました」
はるしゃ「自由だね、うちら(笑)」
-きょうは長崎の4人組アイドルMilkShakeと共演でした。県外のアイドルと共演を重ねることはやっぱり刺激になりますか?
はるしゃ「パフェ―マンスが桁違いにすごいので勉強になります。自分たちの振り付けのヒントももらえます」
-ライブ中、2024年の目標で「6月のワンマンライブで100人動員」を宣言していました。注目してほしいポイントはありますか?
せいね「『First X'mas』『19の冬』といった冬をテーマにした曲が好評なので、冬の曲の私たちを見てほしいです。ワンマンライブは夏ですけど、その時だけ冬になるんで(笑)。はるしゃのMCにも注目してほしいです」
はるしゃ「MCのアドリブ力はあるかもしれません。前にテレビ番組のリポーター的なことをちょこちょことさせてもらっていたので」
-ワンマンライブの成功の他に、ことしの抱負を教えてください。
はるしゃ「県外でどんどんライブをやっていきたいです」
せいね「お祭りなどにも出て、はいびす倶楽部を知らない人に知ってもらうきっかけをつくっていきたいと思っています」