92歳・工藤順巳さん(青森・弘前市)、カレンダーで津軽発信20年 四季の風景撮影

自ら撮影した津軽地方の風景写真をデザインしたカレンダーと工藤さん

 青森県弘前市の写真愛好家・工藤順巳(よしみ)さん(92)=協同組合日専連弘前顧問=は自身が撮影した津軽地方の風景写真をデザインしたカレンダーを20年以上作り続けている。カレンダーは県内外の写真仲間や県内で巡り会った知人に贈り、青森県の魅力を発信している。

 カレンダーをめくると、雪をかぶった岩木山、満開の桜と弘前城、勇壮な弘前ねぷた、収穫期を迎えたリンゴ畑と田んぼが並ぶ風景など四季折々の津軽の表情が楽しめる。

 カレンダーを作り始めたのは2004年。しばしば足を運んでいたフォトギャラリー「コダックフォトサロン」(東京)から「津軽らしい風景を撮ってカレンダーにしては」と提案されたのがきっかけ。以来、カレンダー制作に夢中になり、毎年12月ごろ、県内外の写真愛好家や、日本銀行青森支店長ら青森県での勤務経験がある人たちに配ってきた。

 工藤さんは専門誌を読み独学で撮影術を身に付けた。これまでタウン誌「弘前」の表紙写真を撮ったり、市内で写真展を開いたりしてきた。撮影の際は「感じたことを素直に表現することを心がけている」と話す。

 初めてカメラを手にしたのは1946(昭和21)年。中学校2年生だった。以来「光の芸術に魅せられてきた」といい、「特に『地元でこんな光景が見られるとは』と言われるのがうれしく、撮影のやりがいになっている」と顔をほころばせた。

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