ピオリ監督が劇的逆転劇に水差した人種差別を糾弾! 「無知な者は家にいればいいし、いるべき」 ミラン指揮100勝目にも触れる

メニャンへの厚い信頼を語ったピオリ監督[写真:Getty Images]

ミランのステファノ・ピオリ監督が劇的勝利や残念な一件を振り返った。イタリア『スカイ・スポーツ』が伝えた。

セリエA前節のローマ戦勝利により、リーグ3連勝の中、20日の第21節ウディネーゼ戦に臨んだミラン。元イングランド代表MFルベン・ロフタス=チークのゴールで先制しながら62分までに逆転を許したが、途中出場のセルビア代表FWルカ・ヨビッチとスイス代表FWノア・オカフォーがゴールを決め、逆転勝利を得た。

しかし、ロフタス=チークの先制弾の後には残念なひと幕も。アウェイの状況の中、フランス代表GKマイク・メニャンが観客から人種差別チャントを受けたと訴え、試合は一時中断。ミランの選手たちはロッカールームに戻りかけたが、10分ほどのブレイクを経て再開した。

ピオリ監督は試合後、まずメニャンの一件に言及。人種差別的な発言をするファンは観戦に訪れるなと糾弾した。

「メニャンは落胆しているが、彼のように礼儀正しく、誠実で、誇り高い人物を指導できることを私は誇りに思っている」

「スタジアムである種の言葉を聞くのはもうやめよう。無知な者は家にいればいいし、いるべきだ」

采配ズバリで逆転した試合も振り返り、最後まで諦めず逆転したことを誇った。

「前半のうちにもう少しゴールを決めるべきだったと思う。不意の2失点で試合はより難しくなったが、今日の勝利は信じ続ければ重要な結果を手にすることができるという証でもある。ダーティでフィジカルな試合になることはわかっていたが、最後に逆転することができて良かった」

リーグ戦4連勝により1位インテルや2位ユベントスに食らいついている状況。まだ勝ち点差は離れているものの、直近の好成績がチームに良い影響をもたらすはずだと見解を示した。

「4月や5月のことを考えてはいけない。(次節の)ボローニャ戦のことだけを考えるべきだ。我々は主人公でありたいが、ユベントスとインテルはハイペースで進んでいるから自分たちのことだけを考えるのは難しい」

「(インテルやユベントスとの)直接対決では勝ち点を失っている。中断明けの4試合でこの差がついてしまったが、一連の勝利は昨シーズン以上の結果を出すための自信になるはずだ」

ピオリ監督にとってはこれがミランでのセリエA100勝目。『Opta』によれば、ミランで100勝した監督はわずか4人で、166試合での達成は現レアル・マドリー指揮官カルロ・アンチェロッティ監督(165試合)に次ぐペースだったという。

ピオリ監督はこの記録について「ミランで100勝? 次もミランと100勝したい。それを期待している」と、さらなる勝利の積み上げを誓った。

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