GACKT告白!北海道ワイン製造で「格付けのソムリエが一番いじわる」「一滴で判別は難しい」

1月7日放送の『芸能人格付けチェック!2024お正月スペシャル』(ABCテレビ・テレビ朝日系)に出演したGACKT(50)。平均世帯視聴率は20.7%(ビデオリサーチ調べ、第2部19時~21時56分、関東地区)を記録する人気ぶりで、個人での連勝記録は76に伸ばした。その放送のなかで、ワインの問題に挑む前のGACKTの発言が注目を浴びていた。

「ボク、ワイン作り始めたんですよ、北海道で。それで間違えたらダメじゃないですか」

実はGACKTは昨春、北海道上ノ国町の「上ノ国ワイナリー」を訪れ、新設するブドウ畑で自身が選定したワイン用ブドウ「ピノ・ノワール」の苗木を植え付けた。世界中のワイナリーから熱視線を受ける北海道の道南地区で、世界に誇れるワインの醸造を目指す上ノ国開発からのオファーを受け、ワイナリー運営に参画していたのだ。自ら選定した2千本の苗を新設のブドウ畑に植樹。こだわりの「GACKTオリジナルワイン」の出荷を目指すという。

そんなGACKTに本誌は改めてワインについて話を聞いた。

――国産ワインの魅力はどこにあると思いますか?

「国産ワインは他国に負けない品質の良さと特徴があります。手頃な価格帯の商品も多くなっています。葡萄農家、ワイナリーでも葡萄の品種や製法のこだわりなどが素晴らしい国産ワインがあることを多くの方に知ってもらいたいです。飲食店での取り扱いなどこれからワインに触れる機会も増えて行くことを望んでいます」

――好きな産地はありますか。また、なぜ北海道でワインを作ろうと思われたのですか。

「産地に強いこだわりはないのですが、北海道で取り組んでいるGACKT専用圃場(GACKT Vineyard)では1からワインを作ることを大切に、思い入れのあるピノ・ノワールを苗木からセレクトし、土づくり、肥料選びにもこだわりをもってサポーターの皆様とおいしいワイン作っていくことを目指しています。最近では葡萄農家の育成に協力したり、地域全体を巻き込んで、国産ワインの発展に貢献できればという想いです。10年、15年かけて世界に発信できるワインを送り出したい。オーガニック(や無添加)などにこだわり、体に良いものを届けていきたいので、多くの方にも参加、協力していただければと望んでます。畑のある上ノ国ワイナリーでは廃校をリノベーションし、宿泊施設も兼ねたワイナリーにするなど、ブドウ育成、ワインづくりだけでなく地域連携の新しい形を目指している取り組みにも共感しています。ぜひ皆さんも一度現地にいらしてください」

――「格付け」に出演するソムリエについて、GACKTさんは「安価でも美味しいワインを見つけて来る」と絶賛されていましたが、ご自身がいままで出会われた印象的なソムリエはいらっしゃいますか。

「いや、格付けのソムリエが一番いじわる、つまり、よく見つけてくるなぁと感心します。 番組が公表してないので銘柄は言えないですが、かなり美味しかったので、銘柄を聞いて自分で買って飲もうとしたら、簡単には手に入らないものでした」

――これまで飲まれたワインで最安値で美味しいと思った、または印象的だったワインを教えて下さい。

「まさに、その、2020年だったかな、格付けの安いほうのワインですかね(*1976年、フランス・ボルドー産のテーブルワイン。番組では銘柄は発表されず)」

■米とは違って、ワインは一滴では判別が難しい

彼の最新の自伝『自白II』には、ワインに対する思いが熱くつづられている。

《【格付け】にはワインの問題が毎回出るが、そもそもワインを好きになったのは24歳の時だ。最初はグラスを回しているのがただカッコいいというレベル。何が美味しいかなどまったくわかっていなかった。飲んでいるワインのレベルも相当低かった。

基本、芸能人の友達が少ないボクにとっては起業家の友人たちと遊ぶことがほとんどで、その付き合いで彼らから教えてもらった多くの知識は人生の糧となった。経営者が集まる場に呼ばれて行くと、必ずと言っていいほど上質なヴィンテージワインが出てくる。それまでに飲んでいたワインとはまったく違うもの。『何故、これほどまでに味が違うのか、口の中に含んだ時の感覚がまったく違う』と。更に値段を聞いてビックリした。ワインに関する知識を彼らから聞き深みにハマり、世界各国からワインを集めるようになった。仕事柄、海外に行くことも多いが、それぞれの国で有名なワインを飲み漁った。

自分が美味しいと思うワインの中で、好んで飲むのはブルゴーニュ。そのブルゴーニュの中で群を抜いて素晴らしく、別格だと感じるのはやはりロマネコンティのヴィンテージだ。今なら1本700万円は軽く超えるだろう。会食でロマネコンティを開ける場に何度かいたが、初めて口にした時、『こんなワインがあるのか!』と驚愕した。そして値段を聞いて『誰が買うのか?』と理解できなかった。それからDRCのことを勉強し始めた。もちろん、そんな高級ワインだけを頻繁に口にするわけではない。普段、口にするもので好きな銘柄はリシュブール。大切な人と飲む時はこれだ。

仲間と飲む時、一人で飲む時とでは開けるワインも変わってくる。仲間と気軽に飲む時はシャンベルタンが多い。作り手にもよるが、手頃なものだと15万~25万円ほどで手に入るだろう。シャンベルタンと言っても好みが分かれるほど種類は多く、シャルム、マジ、シャペル、シャンベルタン、クロ・ド・ベーズ、リュショット、ラトリシエール、グリオット、マゾワイエールをその時の気分で飲み分け作り手の味の違いを比べながら、「そもそもブルゴーニュとボルドーは何が違うのか」などという基礎的な長い話から始め、アルマン・ルソーとは?などと御託を並べながらワインの素晴らしさと知識を共有するその時間が好きなだけだ。フランスのボーヌに行った時はフランスのワインやワインに携わる人を守る姿勢に感動した。ボーヌを守るために取っている政策など、ワイン話は話し始めればキリがない。ちなみに、この話を何度しても覚える気のない者は、「なんか聞いたねぇ」と何度も同じ質問をしてくる。これが現実だ》

――ロマネコンティをGACKTさんは「神の雫」と呼ばれているそうですが、漫画「神の雫」をご覧になっていますか?

「はい、全巻持ってます。樹林(伸)さんとも仲良くさせてもらってます」

――今回の格付けでは、米一粒で正解したことが話題になりました。さすがにワインは一滴では判別は難しいですか?

「ワインは香りでも判断している部分が多いですし、かなり難しいですよ。口に転がす量が最低必要です」

――ちなみに、国産ワイン以外に、将来手掛けたい、あるいは興味がある製造業はありますか?

「卵です。自然の中で走り回って、オーガニックの良い餌を食べたニワトリたちが産んだ有精卵を安心して食べたいです。自分の口に入るものは将来的に全部自分で安全なものを作りたいと思っています」

格付けで勝ち続けるGACKTの食への追求は、さらに広く、深くなりそうだ。

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