屋久島で住民を避難させる訓練 武力攻撃を想定、中国念頭

「武力攻撃予測事態」を想定した離島住民の避難訓練で、入院患者に見立てた人形を航空自衛隊のヘリコプターに運び込む人たち=21日午前、鹿児島県屋久島町

 政府と鹿児島、熊本両県は21日、他国から武力攻撃を受ける事態を見据え、鹿児島県の屋久島で住民を九州本土に避難させるための実動訓練を実施した。自衛隊機も出動する物々しい雰囲気に、島民は不安そうに訓練の様子を見守った。政府は特定の事態は想定していないとするが、中国の軍事力強化が念頭にあるとみられる。

 訓練は、政府が「武力攻撃予測事態」を認定。国民保護法に基づき熊本県内や鹿児島市内に避難するよう指示したとの想定で行われた。内閣官房や関係省庁など約50機関が参加。地元消防などが病院から入院患者に見立てた人形を救急車に乗せ、航空自衛隊のヘリコプターに運び込む手順を確認した。

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