障害ある弟の課題、家族ぐるみで取り組む 齋藤芭奈さん(黒石高2年)東北最優秀 家庭クラブ発表大会

東北大会の賞状とトロフィーを手に笑顔を見せる齋藤さん

 黒石高校普通科2年の齋藤芭奈(はな)さん(17)=青森県平川市=が、昨年12月に宮城県石巻市で開かれた東北ブロック高等学校家庭クラブ連盟研究発表大会のホームプロジェクト部門で最優秀賞に輝いた。障害のため人とコミュニケーションを取るのが苦手な弟の課題克服に家族ぐるみで取り組んだことを発表し、高い評価を受けた。8月に神奈川県鎌倉市で開かれる全国大会へ、東北ブロック代表として青森県から1986年以来38年ぶりに出場する。

 青森県代表として出場した齋藤さんは「弟の将来を豊かに~4W1Dから始まる家族の絆~」と題して発表した。「4W1D」は「いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように」を表す英語の頭文字を取った「5W1H」を応用し、「した」を表す「Did」を加えるなど、弟向けにつくり直した、情報整理の手段。

 齋藤さんは弟が自分の考えていることを、この手段に沿った形でカードや絵、写真などを用いて家族へ的確に伝達することができる、独自の方法を考案した。その結果、弟は以前よりも言葉の数が増え、自分の意思をよりうまく伝えられるようになるなど、社会性やコミュニケーション能力の向上が見られた。家族も取り組みに協力。母親に偏重していた家事の負担軽減も図られたという。

 今後、全国大会に向けて入浴など残る課題解決に取り組みながら、15分間の制限時間がある発表を磨いていくという齋藤さん。「弟が毎日、なるべく楽しく取り組み、自立や心身の成長につながれば、と考えている。将来は、障害によるさまざまな不平等を解消するような仕事がしたい」と意欲を見せている。

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