最大の使命は「災害関連死」をなくすこと…静岡DWATとは 【能登半島地震の教訓】

能登半島地震の発生から3週間を迎えようとしている中、問題となっているのが、災害関連死です。これまでに亡くなった232人のうち、14人が災害関連死とされています(20日時点)。災害関連死とは、避難生活による体調の悪化などが原因で、亡くなること。そんな災害関連死を防ぐため、避難所で活動するチームが静岡県にあります。

静岡県社会福祉協議会 松永和樹課長:「災害派遣福祉チーム、静岡DWATといいまして、大規模災害時における“災害関連死をなくす”ということを最大の使命、目的としています」

熱海土石流災害でも活躍

2017年に設立。熱海市で土石流災害が起きた際にも現地で活動した静岡DWAT。2日間、所定の研修を受けた福祉・介護分野で働く専門家がチームを組み、現地の避難所で活動します。

普段は社会福祉士として菊川市の福祉施設で働く長坂智香子さん。静岡DWATの一員として、石川県七尾市や志賀町で避難所の環境改善に取り組みました。

長坂さん「(パーテーションで区切る)前ですね、前」

長坂さん「敷居を作っていきます、キレイに掃除をして」

長坂さん「こんな感じで…」

ディレクター「だいぶ変わりますよね、(パーテーションが)あるのとないのとでは」
長坂さん「人の視線が気になって、眠れないという方もいらっしゃいます。やはり、セパレーションがあることによって、寝ることができる」

そのほか、避難している住民の相談を専門家につなげるための窓口の設置や、避難生活が長引く中でも体を動かしてもらおうと体操の時間を設ける、といった活動も行います。

静岡DWAT 長坂智香子さん「(こうした積み重ねが)災害関連死を防いでいく、ということにつながっていく」

今回の能登半島地震では、施設が被災したことで障害者や高齢者を受け入れる福祉避難所が開設できない状況も生まれています。

静岡DWAT 長坂智香子さん「私が行った(避難所の)中では、たくさんの介護支援が必要な方は、あまり見受けられませんでした。(介護支援を必要としている方が)在宅で避難しているという可能性も考えられます。DWATとして、どこまで関われるのか、何ができるか、(在宅避難者へ)何かしらの支援が必要ではないかと思います」

県担当者は…

いわゆる災害弱者への支援の在り方について、県の担当者は―

静岡県福祉長寿政策課 鈴木立子課長「1次避難所の中であっても、障害のある方とか、高齢の方が、生活機能が落ちないような形で、避難生活を送れるか、というところを具体的に考えていかないといけない。より良い避難生活を送れるようにするための、環境の整え方、ニーズの把握。そういった所をDWATに役割として(今後も)行っていただきたい」

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