28年ぶりの新町長 新人3人出馬の青森・六戸町長選、佐藤陽大氏制す

初当選を果たし万歳する佐藤氏。左は妻の真貴子さん=21日午後10時19分、六戸町犬落瀬長漕の事務所

 任期満了に伴い無所属新人3人が争った六戸町長選は21日投開票され、建設会社役員佐藤陽大氏(50)が2180票を獲得、フリーアナウンサー吉田みちる氏(56)、農業杉山武夫氏(64)を破って初当選した。1996年から町政トップに就いていた現職吉田豊氏(73)の引退を受け、28年ぶりに新リーダーが誕生した。投票率は60.50%で、前回2020年の55.27%を5.23ポイント上回った。

 選挙戦では目立った争点がなかったものの、子育て支援策や、建設が進む県内初の9年制小中一貫校「六戸学園」の運営、活用方針を巡り論戦が繰り広げられた。候補者3人の中で最も若く、町商工会長など要職を務める佐藤氏は、行動力と組織力を強くアピールした。

 午後10時10分ごろ、同町犬落瀬長漕の事務所に当選の連絡が入ると、支持者約100人が一斉に拍手。激戦を制した佐藤氏は涙をこらえられない様子で一礼して事務所に入り、「皆さまの力で押し上げていただいた。皆さまの熱い思いを町政に反映し粉骨砕身頑張っていく」と決意を語った。

 吉田氏は同町初の女性首長を目指し、女性の政治参画の意義を訴えていたものの、及ばなかった。事務所で「残念な結果となったのは私の力不足によるもの。これからも町を良くするため(政治)活動は続けていく」と敗戦の弁を述べた。

 「稼ぐ六戸」を掲げ、前回町長選に続き出馬した杉山氏だったが、届かなかった。事務所で「六戸町が若い人に期待したという結果を受け入れたい。絶大な支援を頂きここまで来たが、不徳の致すところ」と支持者にわびた。

【開票結果】(選管最終)
当選 2,180 佐藤 陽大 50 無新
   1,591 吉田みちる 56 無新
   1,566 杉山 武夫 64 無新
▽有権者数 8,880
▽投票率 60.50%
▽投票者数 5,372
▽有効 5,337
▽無効 35

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