【香港】大手企業景況感、1Qは「改善」が縮小[経済]

香港政府統計処は19日、大手企業の第1四半期(1~3月)景況感調査結果を発表した。同期の業況が前期より「改善する」との回答は全10業種平均で13%、「悪化する」は12%だった。7四半期連続で改善が悪化を上回ったものの、前期調査からは改善が4ポイント縮小した。

改善の比率から悪化の比率を差し引いた数値(DI値)はプラス1となり、前期から7ポイント縮小した。業種別に見ると、全10業種のうち過半数の6業種がプラスだったが、前期からは3業種減った。

DI値が最も大きかったのは「金融・保険」(プラス14)で、前期から4ポイント拡大。「製造」(プラス2)は前期のマイナス2からプラスに転換した。一方、「宿泊・飲食」(プラス9)と「小売り」(プラス3)は、前期からそれぞれ24ポイント、29ポイントの大幅な縮小となった。

DI値のマイナス幅が最大となったのは「建設」と「貿易・卸売り」(ともにマイナス9)で、前期はそれぞれプラス1、プラス5だった。「不動産」(マイナス6)、「情報・通信」(マイナス4)もマイナスに転じた。

業務量(生産・販売量)の見通しに関する調査では、第1四半期に「増加する」との回答が「減少する」を上回ったのは4業種にとどまった。前期は10業種全てで増加が減少を上回っていた。プラス幅が大きかったのは「金融・保険」(プラス16)と「小売り」(プラス10)で、マイナス幅は「建設」(マイナス10)が最大だった。

雇用を巡っては、「増員」の回答が「減員」を上回ったのは前期から2業種減の7業種。商品・サービスの価格については、2業種減の4業種で「値上がり」の回答が「値下がり」を上回った。

調査は大手企業約570社を対象に、2023年12月1日~24年1月8日に実施した。

政府報道官は、大手企業の景況感は前期に比べて悪化したとはいえ、全体的に見ればなお楽観的だと説明。今後については、消費と観光の回復が景況感を下支えすると予測する一方、厳しい外的環境や金融情勢が引き続き逆風になると見通した。

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