名門チームに「出世ユニフォーム」が登場!

近年のレトロユニフォームのブームにより、「復刻レトロユニフォーム」の発売が以前よりも増加傾向にある。

トッテナム・ホットスパーは最近、サプライヤーがアメリカのスポーツブランド「Pony」時代の2つのレトロユニフォームを発売。実はどちらも興味深い“ストーリー”を持つアイテムだ。

Tottenham Hotspur 1996-97 Pony Away Retro Jersey

トッテナム・ホットスパー Pony 1996-97 アウェイ 復刻レトロユニフォーム

イエローはトッテナムにとって80年代、90年代からサポーターに好まれてきた色。現在でも定番として使われている。

このユニフォームは96-97シーズンにアウェイとして使われたものだが、実は95-96シーズンに「サード」として初登場したもの。翌シーズンにアウェイに“昇格”という珍しい使われ方をした出世ユニフォームだ。

今回発売となったレトロジャージは細部までオリジナルを再現し、シャツ全体にクラブ名“SPURS”とエンブレムを透かしプリントで複雑に織り込む。当時のブランドPonyのロゴを付けるだけのことはあり、細部に徹底したこだわりを見せる。

Ponyとトッテナムとの契約は95-96から98-99まで4シーズンで、この期間は胸にコンピューター会社「Hewlett Packard」のロゴマークを付けていた。

こちらが当時のオリジナルで、選手はスパーズのレジェンドであるステファン・イヴェルセン。復刻レトロでも再現しているシャツの透かしプリントをはっきりと確認できる。

このユニフォームを使用した95-96、96-97の2シーズンはどちらもプレミアリーグに所属し、8位(95-96)と10位(96-97)という成績だった。当時のスパーズとしては良くも悪くもない平均的な成績だったが、この黄色い出世ユニフォームは復刻レトロが作られるほどの人気がある。

Tottenham Hotspur 1997-98 Pony Away Retro Jersey

トッテナム・ホットスパー Pony 1997-98 アウェイ 復刻レトロユニフォーム

96-97アウェイユニフォームはサードから翌年アウェイの昇格という珍しいものだったが、この97-98モデルもスパーズの歴史のなかでは異色と言える珍しいユニフォームだ。

左胸に付けるエンブレムは97-98と98-99の2シーズンのみ使用したもの。伝統的に雄鶏をシンプルに描くエンブレムを使うスパーズで、おそらく唯一のクラシックな紋章型デザインが使われている。

正確には80年代の“正式なクラブエンブレム”として使われていたものだが、ユニフォームに付けたのは97-99の2シーズンのみ。アウェイのみならずホームとサードにもこのエンブレムを付けている。

この非常にクラシックでいかにも欧州の紋章というデザインは、トッテナム地区に多くの土地を有していたという貴族ノーサンバランドの紋章をベースとしている。

勇猛果敢な騎士として知られ、クラブ名「ホットスパー」の由来となったサー・ヘンリー・パーシー(愛称がホットスパー)もノーサンバランドの一員だった。ヘンリーの父親は初代ノーサンバランド伯爵だ。

エンブレムを「前のデザインに戻してほしい」9つのチーム

このユニフォームを使用した97-98シーズンはプレミアリーグを14位で終了。イケメンで人気だったダヴィド・ジノラが着ているのがそのオリジナルで、ネイビーとベージュを組み合わせるというキットカラーが独特な雰囲気を放つ。

ここまでご紹介した2つの復刻レトロユニフォームは、クラブの公式オンラインストアで販売されている。

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