湯気立つ寒仕込み 茨城・つくばの酒蔵

蒸した米をまとめる従業員=つくば市吉沼、高松美鈴撮影

日本酒の寒仕込みが最盛期を迎えている。1877年創業の老舗酒蔵「浦里酒造店」(茨城県つくば市吉沼)では、従業員が一丸となり、朝早くから仕込みに励んでいる。

気温の低い冬場に造られる酒は低温でじっくりと発酵が進み、高品質に仕上がるという。従業員らは巨大なせいろで蒸した米をスコップやクレーンを使って冷却器に移す作業や、蒸し米にこうじ菌を散布する「種切り」、蒸し米と水などをタンクに入れてかき混ぜる作業を行っていた。

同社の浦里浩司社長は昨夏の高温の影響で原料米が「厳しい品質になった」としつつも「醸造の技術でカバーし、例年にない日本酒を造る」と語った。

© 株式会社茨城新聞社