民間主導のISS滞在ミッション「Ax-3」打ち上げ成功 ISSに無事到着

スペースXとアクシオム・スペースは2024年1月19日、有人飛行ミッション「Axiom Misson 3(Ax-3)」の打ち上げを実施しました。クルーを乗せたクルードラゴン宇宙船は無事に地球周回軌道へ投入され、翌日国際宇宙ステーション(ISS)に到着したことが、両社やアメリカ航空宇宙局(NASA)から発表されています。

打ち上げに関する情報は以下の通りです。

■打ち上げ情報:ファルコン9(Ax-3)

ロケット:ファルコン9 ブロック5
打ち上げ日時:日本時間2024年1月19日6時49分【成功】
発射場:ケネディ宇宙センター(アメリカ)
ペイロード:有人宇宙船クルードラゴン

Ax-3はアクシオム・スペースによるISS滞在ミッションで、クルーはすべて民間人で構成されています。ISSに到着したクルーは滞在期間中にイタリア、トルコ、欧州宇宙機関(ESA)およびスウェーデンなどの30以上の実験を行う予定です。

関連記事:アクシオム・スペース、3回目の商業有人宇宙飛行を2024年1月以降に実施予定(2023年9月25日)

Ax-3のクルーはコマンダーを務めるマイケル・ロペス=アレグリア(Michael López-Alegría)宇宙飛行士、パイロットを務めるワルテル・ヴィラデイ(Walter Villadei)宇宙飛行士、ミッションスペシャリストのアルペル・ゲゼラヴチュ(Alper Gezeravci)宇宙飛行士およびマーカス・ヴァント(Marcus Wandt)宇宙飛行士の4名です。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士としてスペースシャトルで3回、ソユーズ宇宙船で1回の飛行経験があるロペス=アレグリア飛行士はアクシオム・スペース初の商業有人宇宙飛行ミッション「Ax-1」でもコマンダーを務めており、今回はアクシオム・スペースのミッションとして2回目、NASA時代も含めれば6回目の宇宙飛行です。イタリア空軍出身のヴィラデイ飛行士は2023年6月に実施されたヴァージン・ギャラクティックの「Galactic 01」ミッションで、イタリア人として初の商業サブオービタル飛行を経験しました。ゲゼラヴチュ飛行士はトルコ初の宇宙飛行士で、トルコ空軍のパイロットとして15年以上、ターキッシュ エアラインズの機長および副操縦士として7年の飛行経験があります。ヴァント飛行士はスウェーデン出身で、2022年11月に欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士候補者に選ばれました。

4名が搭乗したクルードラゴン宇宙船を乗せた「ファルコン9」ロケットは米国フロリダ州のケネディ宇宙センター39A射点から2024年1月19日6時49分(日本時間・以下同様)に打ち上げられ、翌1月20日の19時42分にISSへドッキングすることに成功しました。クルードラゴンとISS船内を隔てるハッチはドッキングから1時間半ほどが経った同日21時13分に開放され、ロペス=アレグリア飛行士ら4名は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の古川聡宇宙飛行士を含むISS第70次長期滞在クルーの7名と合流しています。Ax-3ミッションのISS滞在は14日間の予定で、4名のクルーは2月3日頃にISSを出発して地球に帰還する予定です。

■打ち上げ関連画像・映像

【▲ Ax-3ミッションのクルードラゴン宇宙船を搭載して打ち上げられたファルコン9ロケット(Credit: SpaceX)】
【▲ 第70次長期滞在クルーの7名と合流したAx-3ミッションのクルー4名(手前)(Credit: NASA TV)】

■打ち上げ関連リンク

直近のロケット打ち上げ情報

Source

文/sorae編集部 速報班

© 株式会社sorae