流行ではないけれど…お客も驚く“大どんぶり”で楽しく 親子2代、メニューは100種類に 上尾の「宝来」

創業当時から人気の定番メニュー「うま煮そば」と「ギョーザ」「ミニ杏仁豆腐」

 「宝来ならやっぱりうま煮そば」「油淋鶏(ユーリンチー)もうまいよ」「日替わりランチのチキンカツや回鍋肉(ホイコーロー)がいいね」と常連さんたちが競って好きなメニューを並べる。そう、ここ宝来は、とにかく料理の種類が豊富なのだ。約100種類に及ぶメニューは市内では他に類を見ない。

 店主の片柳竹雄さん(82)が1968年に創業。親しみやすい中華料理店として愛され続けている。竹雄さんは、19歳で都内の本格中華料理店に就職。系列店で和食やイタリアンもかじった。「そのころはお互いに教えあったんだよね」と懐かしむ。

 26歳で結婚し、翌年埼玉県上尾市本町の実家敷地内に約60平方メートルで開業した。学んできた本格中華の一品料理を土地柄に合うようにアレンジし、五目そばやオムライス、カツ丼なども提供した。店舗は2回の改築を経て、現在の広さになった。次男剛さん(52)が後継者として共に腕を振るう。都内の有名店で10年修行した剛さんがさらにメニューに彩りを加えた。「いつの間にか増えました。お客さんに喜んでもらえるお店でありたい」と剛さん。

 創業当初からの看板メニューの一つが「うま煮そば」。しょうゆベースのスープに豚肉やエビ、キャベツ、ニンジン、タケノコなどの野菜をあんかけしたラーメンだ。宝来の麺ものは味の良さに加え、特徴的なのが大きなどんぶり。通常のラーメンの器に比べて二回りも大きい、厚みのある磁器を使っている。

 「今はこぢんまりおしゃれなのが流行だろうけど、お客さんが驚くし、楽しいからね」と笑う現役55年の竹雄さんは、今日も元気に出前に奔走する。

【メモ】宝来 上尾市本町2の2の8(電話048.772.0564)。営業時間は午前11時~午後9時(ラストオーダー8時半)。水曜定休。カウンター、テーブル、座敷で約70席。駐車場は15台。JR上尾駅から徒歩12分。

【主な人気メニュー】うま煮そば830円、スーラータンメン830円、ギョーザ(5個)530円、豚肉とキクラゲの卵炒めライス850円、肉野菜炒めライス880円、高菜チャーハン730円、チャーハン680円、杏仁豆腐400円(ミニ150円)など。

「また来たよ、また来るねと言ってもらえるのがうれしい」と話す片柳竹雄さん=上尾市本町の「宝来」

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