火災は過去2番目の少なさ、救急出動は最多 長崎県央消防本部 2023年まとめ

長崎県央消防本部管内の火災発生、救急出動件数の推移

 長崎県央地域広域市町村圏組合消防本部は2023年の火災・救急概要をまとめた。管内(諫早市と大村市、国見町と瑞穂町を除く雲仙市)の火災発生件数は前年比29件減の66件で、1972年の同本部発足以来、過去2番目に少なかった。死者は1件2人。住宅火災で亡くなった高齢者夫婦だった。
 住民の高齢化に伴い、救急出動件数は同比625件増の1万2872件と過去最多を更新。同本部は火の取り扱いの注意や住宅用火災警報器の点検・更新、救急車の適正利用を呼びかけている。
 火災種別は▽建物火災32件▽たき火から周囲の雑草に延焼するなどの「その他の火災」25件▽車両火災8件▽林野火災1件-の順。原因では、枯れ草などを寄せ集めて焼く「たき火」が18件で最多。「たばこ」4件が続いた。
 火災による死者は2014年からの10年間で31人になった。住宅火災が22人で、うち65歳以上の高齢者が17人と8割近くを占めている。消防法改正で11年6月までに全ての住宅に火災警報器の設置が義務付けられて10年以上が経過。交換の目安は設置から10年とされ、同本部は「電池切れや故障がないか点検、更新をしてほしい」としている。
 救急出動件数は9年連続で1万件超。昨年は1日平均35.3件、41分に1件の計算だった。搬送者(1万1892人)を傷病程度別(医療機関の初診時の診断)に見ると、軽症(入院の必要なし)が3割超の4123人。不要不急の通報で救急搬送に影響が出ないよう、同本部は救急車の適正利用への協力を求めており、救急車を呼ぶ目安として総務省消防庁が作成した救急受診アプリ「Q助」の活用を呼びかけている。

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