茨城GGに女子チーム 片岡監督が指揮 茨城・稲敷で28日、入団テスト

茨城GG女子チームの指揮を執る片岡安祐美監督(2014年撮影)

茨城県稲敷市を拠点とする社会人野球チーム「茨城ゴールデンゴールズ」(茨城GG)に女子チームが誕生する。今月28日に稲敷市でトライアウトを実施し、今春の関東女子野球リーグへの参戦を目指す。指揮を執るのは、男子も率いる片岡安祐美監督(37)。「男女ともやるからには頂点を目指す。強くて愛されるチームにしたい」と力を込める。

「欽ちゃん球団」の愛称で親しまれる茨城GGは2005年、タレントの萩本欽一さんが「野球界を盛り上げたい」と創設。同年に入団した片岡監督は11年に萩本さんからバトンを引き継ぎ、14年の全日本クラブ選手権ではチームを3度目の優勝に導いた。

選手としては女子野球の日本代表として活躍した実績もあり、「いつか女子野球にも携わりたいという思いがあった」と片岡監督。女子野球の後輩たちとの交流やコロナ禍で自分と向き合う時間が増える中、「自分の経験を女子野球に返したい」という思いを強くした。茨城県に女子野球の社会人チームがなかったこともあり、「第二のふるさとである茨城で、女子も野球ができる環境をつくりたかった」と話す。

昨年末に関東女子硬式野球連盟に登録申請し、受理された。今月28日に稲敷市の新利根総合運動公園野球場で18歳以上(高校卒業予定者含む)を対象としたトライアウト(入団テスト)を実施し、始動する。

練習は男女合同で行う想定で、「全力で野球ができる喜びを表現する女子から男子が学ぶこともあるし、男子のスピードやパワー、体の使い方から女子が学ぶこともある」と相乗効果に期待する。近年は監督業に専念し、現在は1歳の息子の子育てにも奮闘するが、「体を鍛え直さないと」と選手復帰にも意欲を示す。

女子チーム発足を受け、現役時代から付き合いのある女子野球の先輩たちからは「ありがとう」の声が多数届いた。中には高校の監督を務める先輩もいるといい、「女子選手が野球を続けられる場所を広げてくれた」と感謝され、「反響にほっとしたし、うれしかった」。

新たな試みを報告した萩本さんからは「言葉を大切に、応援されるチームを」との言葉を授かった。「とことん一人一人と向き合い、自分にしかなれない監督を目指す。男女とも、大人になっても本気で涙を流せるぐらい夢を追える場を残し続けたい」。女子野球界を盛り上げるため、新たな「夢列車」が出発する。

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