侍JAPAN監督/井端弘和が少年野球でもバントのやり方は覚えておくべきと語る理由とは?【少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」】

教えて井端さん!通算1912安打の打撃

井端弘和選手は、現役時代に通算1912安打もマークしている。身長173センチ73キロとプロとしては小柄な部類で、安打を量産した秘密を聞いた。

バントのやり方を覚えておく?

――「少年野球のバント」に関しては賛否両論あります。

井端弘和の答え

バントは「試合で使う、使わない」は別として、やり方は覚えておいたほうがいいと思います。同点で延長タイブレークの状況になれば、必要な場面が出てきます。国際試合になれば、プロの主力打者にでも送りバントのサインは出ます。WBCで大谷翔平選手が(セーフティー)バントで走者を進めた場面もありました。

ただし、「長打が打てないから小技」という考え方は賛成ではありません。小学生は身長もまだまだ伸びる。小柄でも本塁打は打てる。門田博光さん(南海ほか)は170センチ弱ながら王貞治さん(巨人)、野村克也さん(南海ほか)に次ぐ史上3位の通算567本塁打を放ちました。吉田正尚選手(オリックス→レッドソックス)にしてもプロでは小柄な173センチでフルスイングをして本塁打を狙います。

中学、高校、大学、社会人野球…‥と、レベルが上がるにつれ、自分が好きに打てる機会は減っていきます。未来のある選手なのですから、「一生懸命練習してきた発表会の場(試合)」では、なるべく初球から思い切り打たせてあげたいし、思い切り振ってほしいのです。

【出典】『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』 著:井端弘和

【書誌情報】
『少年野球 デキる選手はやっている「打つ・走る・投げる・守る」』
著:井端弘和

侍JAPANの日本代表監督、井端弘和氏が指導する少年野球の基本的プレー解説書。野球の根幹になる「打つ」「走る」「投げる」「守る」の4つのプレーに関して、初級・中級・上級の難易度別にステップアップできるよう写真とイラストで丁寧に解説します。世界を代表する選手も、日本の部活でプレーする選手も、この4つの基本に関して特別違うことをするわけではありません。確実にプレーを習得しステップアップしていくことで、世界レベルの基本に迫れます。「教えて井端さん」の野球コラムも章ごとに掲載。少年野球をプレーする生徒、指導者にとって、基本を見直したり、知ってるようで知らなかったプレーを見直す、必読の一冊です。

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