フルタ製菓 二ケタ増収へ驀進 インバウンド需要にも勝算

フルタ製菓は2013年から10年間右肩上がりで売上を拡大。今期(24年3月期)も増収基調で推移し二ケタ増収の着地に向けて年初から驀進の気構えを示す。

前期売上高は212億5千800万円に達し、今期売上高は前年比12%増の238億円を計画。2022年にグループ入りした杉本屋製菓を含めたフルタ製菓グループ全体では売上高270億円を目指していく。

11日、フルタ会賀詞交歓会・二部懇親会で冒頭あいさつした古田盛彦社長は「これからも菓子業界の元気印の企業として勝ち残っていけるように、64期目標である238億円の達成へ製販・全社一丸となって年初よりスタートダッシュしていく。当社にとって、今年も一段高いステージへ飛躍していくための大変大切な1年間」と決意を新たにする。

古田盛彦社長(フルタ製菓)

同社は、ファミリーチョコレート・ポケット菓子・チョコエッグ・焼き菓子の4本柱を事業の中心と位置付け、無駄・ロスの徹底した排除にも取り組みながら営業活動を推進している。

ファミリーチョコレートの主要商品は「生クリームチョコ」「柿の種チョコ」「ドレミソングチョコ」で、ともに好評を博している。

2021年の創業70周年を機にスタートした「生クリームチョコ」の増産体制の構築・初のアンテナショップ「ふるたす」の営業・杉本屋製菓のグループ化の3つのプロジェクトも順調に進捗。

「これらのこと(3つのプロジェクト)を短時間に実行して実現でき、当社の社員の底力に心から改めて感謝申し上げる。それを支えていただいているフルタ会会員企業さまにも深く感謝を申し上げる」と語る。

さらなる成長へインバウンド需要にも勝算を見込む。「今年の年末には、その次の25年に予定されている大阪・関西万博の話題や対応も本格化していることと思う。インバウンド需要が必ず菓子業界にもしっかりもたらされると確認しており、われわれ一つ一つの企業がその“果実”を確実なものにしていけるよう努力していきたい」との見方を示す。

乾重一営業本部顧問(フルタ製菓)

中締めのあいさつで乾重一営業本部顧問は「4月から12月までの9か月間で107%という数字で進捗した。これから戦う1月から3月に大型商品を2品投入して110%以上の数字をつくり出し最終的には二ケタ増の売上で着地をしたい」と締めくくった。

一部・式典では、フルタ会会長を務める福谷の福谷藤七郎社長と古田鶴彦会長が年頭あいさつ。古田会長は「皆さまのおかげで今日を迎えることができた」と感謝の意を表した。

なお、フルタ会賀詞交歓会では、能登半島地震の犠牲者に祈りを捧げ、鏡開きと万歳三唱を取りやめた。

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