キャデラックが新レコードで予選1-2。GTDでは宮田組レクサスがクラス最速に【デイトナ24時間】

 1月21日、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われているIMSA公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス24』のなかで、翌週同値で開催されるデイトナ24時間レースのグリッドを決定する予選セッションが実施され、ピポ・デラーニ駆る31号車キャデラックVシリーズ.R(ウェーレン・エンジニアリング・キャデラック・レーシング)が、コースレコードタイムでポールポジションを獲得した。

 19日(金)から三日間の日程で行われた公式テスト“ロア”。その最終日となった21日(日)は、GTP車両のみが参加し01号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)が最速タイムを刻んだ午前中のセッション6に続き、13時55分から予選セッションが行われた。

■マツダDPiのサーキットレコードが破られる

 オリバー・ジャービスがステアリングを握ったマツダRT24-Pが2019年に記録した1分33秒685というレコードタイムが、直前のセッション6で非公式に破られた直後、デラーニはアクション・エクスプレス・レーシング(AXR)が運営するチャンピオンカーで1分32秒656をマーク。前日までのコースレコードを1秒以上更新する圧巻のタイムでポールポジションを奪ってみせた。

 同じキャデラックのマシンで1分32秒727の好タイムを刻んだチップ・ガナッシ01号車のセバスチャン・ブルデーは、トップタイムには0.071秒届かなかったが、キャデラックのフロントロウ独占に貢献した。フェリペ・ナッセが乗り込んだ7号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)は序盤のスピンから立ち直り、こちらも1分32秒台に入れてみせる。しかしキャデラック勢には及ばず首位から0.149秒遅れて3番手となった。

 予選4番手はコナー・デ・フィリッピのドライブで1分33秒022をマークした25号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームRLL)。これにウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ(WTRアンドレッティ)の40号車と10号車のアキュラARX-06勢が5番手、6番手で続いている。

 ポルシェ・ペンスキーのもう一台6号車は7番手、BMWの姉妹車24号車が8番手となり、JDCミラー・モータースポーツの85号車ポルシェ963が僅差の9番手に。これらの予選出走車両はいずれも従来のポールレコードを更新したが、セッション6でニール・ジャニがクラッシュを喫した5号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)はマシンの修復作業が間に合わず予選を欠場した。

LMP2クラスのポールポジションを獲得したベン・キーティング(ユナイテッド・オートスポーツUSA/2号車オレカ07・ギブソン)
デイトナでIMSAシリーズデビューを果たす宮田莉朋も乗り込む12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)

■AOレーシングとバッサー・サリバンがGTの2クラスでポールを獲得

 LMP2の予選では、ベン・キーティング(ユナイテッド・オートスポーツUSA)が2号車オレカ07・ギブソンを駆りクラス最速に。“最強ブロンズドライバー”として知られる52歳のアメリカ人は1分38秒501を記録し、クラス2番手となった52号車オレカ(インターユーロポル・バイ・PR1マティアセン・モータースポーツ)のニック・ブールに0.101秒差をつけてみせた。

 クラウドストライクの共同創業者兼CEOであるジョージ・カーツは04号車オレカ(クラウドストライク・レーシング・バイ・APR)を駆り、トップと0.751秒差のクラス3番手に。ガー・ロビンソンは74号車オレカ(ライリー)で1分39秒297を記録。このトップ4までが首位から1秒以内に入っている。

 92号車ポルシェ911 GT3 R(ケリーモス・ウィズ・ライリー)が起こしたアクシデントの影響で赤旗が出され、その後セッションタイムが延長されたGT予選では、“Rexy(レキシー)”の愛称で親しまれているAOレーシングの“恐竜カラー・ポルシェ”がトップ通過。セバスチャン・プリオールが77号車ポルシェ911 GT3 Rで1分44秒382をマークし、GTDプロクラスのポールポジションを奪った。

 わずか0.080秒差の2番手にはジャック・ホークスワースがドライブした14号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)が続き、姉妹車の12号車レクサスRC F GT3がGTカーの3番手、GTDクラス最速タイムをマークした。宮田莉朋のチームメイトであるパーカー・トンプソンがステアリングを握ったこのクルマは、GTDクラス2番手タイムを記録した86号車ポルシェ911 GT3 R(MDKモータースポーツ)を0.043秒差で退けている。

 キャサリン・レッグが乗り込んだ66号車アキュラNSX GT3エボ22は、1分44秒640で一時クラストップに位置していたが、最終的にはレクサスとポルシェにかわされGTDクラス3番手に。GTDプロクラスの3番手はアントニオ・ガルシアがアタックを担当した3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ)だ。前日に電気系トラブルを抱えていた新型コルベットのタイムは1分44秒786で、GTカー全体では9番手となっている。

 新型フォード・マスタングGT3は、ディルク・ミューラー(フォード・マルチマチック・レーシング)の65号車がGTDプロ9番手となり、これが陣営最上位。ハリー・ティンクネルの姉妹車64号車も同13番手に沈むなどペースが上がっていない。

GTDプロクラスはAOレーシングの77号車ポルシェ911 GT3 Rがポールシッターに。最速タイムを記録したのはセバスチャン・プリオール
GTDクラスの予選を制したパーカー・トンプソンと12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)

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