日英伊共同開発戦闘機、完成品を日本も輸出?

 日本とイギリス、イタリア3か国での次期戦闘機共同開発に伴い、その完成品を日本も直接第3国に輸出することを巡る問題について、公明党の山口那津男代表は『殺傷能力を持つ兵器を輸出しないのが我が国の基本的な進め方だった』と指摘したうえで、政府からは党にも国民にも説明がない旨あげ、政府がきちっと説明するよう求めている。平和憲法の下、殺傷能力のある兵器輸出はしないことは「国是」と言えるもので、防衛産業育成に走る岸田政権で方向性がブレつつある。

 木原稔防衛大臣は19日の記者会見で「与党はじめ国民に対し輸出の必要性の説明ができるよう引き続き調整を進めていかなければならない」とした。木原大臣は共同開発でのスケールメリットを強調し、輸出を含め共同開発する意味のグローバルスタンダードではないかとの認識をうかがわせるなど『輸出に結論ありき』を伺わせた。

 木原大臣は「国際共同開発・生産における我が国から第三国への完成品の直接移転の在り方について政府・与党一体となって早期に議論を進めていきたいというふうに考えている。その上で、政党における発言の一つ一つについて、政府としてコメントすることは差し控えるが、政府としては完成品の直接移転の必要性等の説明について与党への説明も含め、引き続き調整を進めなければいけないというふうに考えている」とした。

 そのうえで木原大臣は「共同開発の利点はそれぞれの国が持っている技術を結集するということ、重複するような開発経費も低減できる、技術リスクも低減できる、将来に渡って我が国の航空優勢を確保できる戦闘機というのが開発できるということ。戦闘機は単体の装備品としては非常に予算が大きくなるので、製造機数が多ければ多いほど1機あたりの単価は当然下がってくるスケールメリットがある。そういうことも3か国共同開発のメリットと思う。ある意味常識としてのそれぞれのグローバルスタンダードではないかな」と語った。(編集担当:森高龍二)

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