障害ある人との対話解説 花巻で小林覚さんと板垣崇志さん講演

講演会に臨む板垣崇志さん(左奥)と小林覚さん(手前)

 花巻市星が丘のるんびにい美術館の所属アーティスト小林覚(さとる)さん(34)とアートディレクター板垣崇志さん(52)の講演会は20日、同市の石鳥谷図書館で開かれた。

 2人はこたつに座るアットホームな雰囲気で約40人の来場者を迎えた。講演の冒頭、小林さんが「起立!」と発声すると笑いに包まれた。板垣さんは、小林さんの人柄などを紹介。年齢を尋ねると常に「27歳」と答える小林さんについて、家でケーキを食べて祝った誕生日に「心に残る何かがあったのだろう」と推測した。

 小林さんがそばで話す人の反復をするのは「話の流れを把握しようとしている。当事者意識がある」と解説した。知的障害のある人には主張や希望がないと思われがちな点については、鍵のかかったドアに例え「思いや意志、価値観を当然持っている。鍵を開けられるのは私たち。扉の向こう側に思いを巡らしてほしい」と力を込めた。

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