化学物質過敏症 「香害」を防ぐには 講習会で学ぶ

皆さんは「香害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?柔軟剤や洗剤などの香料に使われる合成化学物質により健康被害が起こるものです。
頭痛や吐き気などの症状に悩む人が多いそうなんですが、防ぐ方法はあるのでしょうか。

■シャボン玉石けん 加藤友和さん
「北海道の小学生からうちの社長宛てにこんな手紙が届きました。学校が臭くて柔軟剤のポスターも学校に貼っているけど、みんな臭い服を着て学校に来ているからますます学校に行けなくて困っています」

安曇野市の明北小学校で先週金曜日に開かれた「香害」に関する講習会。無添加せっけんの製造販売をする「シャボン玉石けん」から講師を招き、地元住民など40人のほか全国からも90人がオンラインで参加しました。

■池田町から
「知人で化学物質過敏症の人がいて、とても大変そうなので自分なりに学んでみたいと思って参加した」

「香害」とは柔軟剤や洗剤、芳香剤などの香料に含まれる合成化学物質により頭痛や吐き気といった体調不良が引き起こされることで「化学物質過敏症」の原因の一つにもなります。化学物質過敏症はアレルギー反応と同じくある日突然発症し、悩まされる人は、全国に70万人いると言われているそうです。

■シャボン玉石けん 加藤友和さん
「発生原因の根拠が明確になっていないため医師も行政も有害物質として認定できていない。たばこの臭いは嫌だと言いやすいけど、柔軟剤の臭いは嫌だよと言いづらいと思うんです。根拠が明確化されればより香害の問題が減ってくると思っています」

職場や学校に行けなくなるほど、深刻な症状の人もいます。

■シャボン玉石けん 加藤友和さん
「天然の香料は匂いが飛ぶので長続きはしない。衣類の香りが長く続くというのは化学物質が長く残留することと認識することが必要。自分が気に入っている香りでも他人からは悪臭と感じられる場合があることも認識することが必要」

参加者の中には、実際に周りのにおいが気になるという人も。

■安曇野市内から(小学6年)
「人が多い所(で臭いが気になる)あまり臭いのない物とか自分も気を付けたいと思いました」

■安曇野市内から
「私の妻が化学物質過敏症で7年ほど前に発症して…」

妻が発症したというこちらの男性は、症状を和らげるため神奈川から移住したそうです。

■安曇野市内から
「妻が抱えている問題とか悩みについてよく理解できました。もっと協力して気を付けなければならないと感じた」

シャボン玉石けんが講習会などで使う映像には化学物質過敏症を予防する習慣が紹介されています。

①身の回りの化学物質を減らすこと。
②換気をするなどしてきれいな空気の中で暮らすこと。
③保存料着色料などが入っていない手作りの和食メニューを増やすこと。
④多くのビタミン・ミネラルが含まれる無農薬の食べ物を食べ体内の毒素を排出すること。
そして最後、⑤毎日少しの運動で体調を整える。
こうしたことが予防につながるということです。

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