児島ICで過積載車両取り締まり 24年問題見据え本四高速など

過積載の取り締まりでトラックを重量計に誘導する本四高速や岡山県警の関係者=倉敷市の瀬戸中央道児島インターチェンジ

 本州四国連絡高速道路(神戸市、本四高速)などは22日、トラック運転手らの残業規制が4月から強化されるのに伴う「2024年問題」を見据え、増加が懸念される過積載車両の取り締まりを瀬戸中央自動車道児島インターチェンジ(倉敷市児島阿津)で行った。24年問題では人手不足による輸送量の減少を補うため過積載の車が増える恐れが指摘されており、適正な運行を促して重量オーバーによる路面劣化や事故の防止につなげる。

 岡山県警や中国運輸局岡山運輸支局と初めて合同で実施し、関係者計約30人が参加した。担当者がゲートを通る大型車のタイヤの沈み具合やエンジン音を1台ずつ確認し、車両を近くの重量計に誘導。道路法に基づく車両の総重量や寸法の制限に収まっているかなどをチェックした。約2時間にわたって調べ、違反は確認されなかった。

 運転手の残業規制強化を巡っては、民間の試算で24年度のトラックの輸送能力が19年度比で14.2%(4億トン相当)不足するとされる。とりわけ中国地方は物流の結節点に位置し、倉庫業を営む事業者が多いことなどから不足割合が20%と全国で最も高くなると見込まれている。

 本四高速は今後も定期的に過積載車両の取り締まりを行う方針。同社の丹野知広・車両通行対策室長は「重量がオーバーすれば路面や橋へのダメージが大きく、タイヤのパンクや横転、落下物による事故のリスクも高まる。取り締まりとともに啓発を強化し、運転手や運送事業者の理解を促したい」と話した。

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