宮城・閖上から輪島へ励ましの野菜 津波かぶった畑で栽培

閖上地区で育てられた野菜を届けた小室代表(中央)=輪島市社会福祉協議会

 能登半島地震の被災地、輪島市に22日、東日本大震災の津波で被害を受けた宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区の市民から支援物資が届いた。ハイエースに乗って輪島入りした「能登半島地震の被災者を応援する名取市民の会」の小室正博代表(47)は「10年先はまだ考えられないと思うが、必ず復興する。一緒に頑張りましょう」と輪島市民を励ました。

 物資は水やおむつ、衣類のほか、大根、白菜などの野菜。輪島市社会福祉協議会を訪れた小室さんは、大根や白菜が津波で塩水をかぶった閖上地区の畑を再生して作られた「復興野菜」だと紹介し「必ず復興する。被災経験者をうまく使ってもらえば、早く復興できるのでいくらでも支援する」と呼び掛けた。

 同会は能登半島地震後、募金活動も展開し、宮城県内の企業や全国の被災経験者らの寄付を合わせて義援金100万円を届けた。

 輪島と閖上のつながりは和太鼓が縁。輪島市の太鼓演奏グループ「輪島・和太鼓虎之介」は2014年に名取子供ミュージカルと共演するなど交流してきた。小室さんの長男が輪島市にある日本航空大学校と航空高石川に在籍していたこともあり、物資支援が実現した。

 物資と義援金を受け取った輪島市社会福祉協議会の久岡政治会長は「遠い中をありがとうございます。大切に使わせてもらいます」と感謝した。

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