違法風俗街の旧「かんなみ新地」解体始まる 尼崎市が取得2棟を先行、イベント広場に

撤去される旧かんなみ新地の建物=尼崎市神田南通3

 非合法な風俗街で、一斉閉店した後、兵庫県尼崎市が売却に向け土地建物の取得を進める旧「かんなみ新地」(同市神田南通3)で、取得済み建物の解体工事が始まった。敷地面積約670平方メートルのうち約150平方メートルで、アスファルト舗装しイベントなどに使える広場にする。完成は3月末の予定。

 旧かんなみ新地は木造長屋5棟からなる。2021年11月、風営法に基づき市と警察が警告を出し、閉店していた。市は2022年度一般会計補正予算に事業費約2億6900万円を計上し、これまでに全37区画の83%にあたる31区画を取得。周辺の環境改善のため、取得が完了した1棟と隣接する1棟の取得済み部分を先行して撤去することにした。工事は今月18日に始まり、22日には大型重機を投入。違法に増築されていた3階建ての建物を解体していった。

 残る3棟は屋根でつながり、調査などに時間を要する地権者がいることから、市は道路に面した8区画を、起業を考える人にチャレンジショップとして貸し出す方針。(広畑千春)

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