「国府宮はだか祭」1200年の歴史が変わる初の女性参加 さらしに法被・短パン姿で“もみ合い”ではなく“願いを託した笹の奉納”へ

天下の奇祭「国府宮はだか祭」が、今年も愛知県稲沢市で2月に行われ、多くの見物客で参道は盛り上がると予想されますが、今年は祭り史上初めて、女性が参加します。

参加するのは“裸のもみ合い”ではなく…

「国府宮はだか祭」は男たちが下帯姿で激しく「もみ合い」を繰り広げることで知られる神事で、1200年以上の歴史があります。

今年も2月に愛知県稲沢市で行われますが、祭りが最高潮に達する「もみ合い」の前に、厄除けの願いを書いた笹を境内へ運ぶ神事「儺追笹奉納(なおいざさほうのう)」に、初めて女性が参加します。

(縁友会・鈴木彩加副会長)
「気合いと根性で皆さんの願いをしっかり奉納したい」

新たな歴史の1ページが刻まれます。きっかけは地元の女性団体からの声でした。

(縁友会・鈴木副会長)
「絶対男だったら出たかったのになって」

20日の土曜日、愛知県一宮市で今年参加する女性たちのお披露目が行われました。

衣装合わせで“さらし”も体験

(大石邦彦アンカーマン)
「こちらの部屋に、祭りに参加する女性団体の方がいるそうなんですが、いらっしゃいましたよ。女性ばかりがずらーっと。お互い知らない?」

参加予定の女性は約40人で、この日が初顔合わせ。

(参加者)
「フィリピンから来ました。日本に来て6年。(なぜ参加?)夫がはだか祭大好きで、私も好きになった」

「岐阜まつり」の女みこしの団体の皆さんも、はだか祭に参加するということです。

20日、皆さんが集まった理由は儺追笹(なおいざさ)の担ぎ方の指導と、当日の衣装合わせのためでもありました。縁友会の入山友香会長に伺いました。

(大石アンカーマン)
「この格好が本番の格好ですか。かっこいいですね。法被の前の部分に書いてあるのは?」

(縁友会・入山会長)
「私たちは裸のもみ合いに出るのではなく、笹の奉納をするので、法被にも「国府宮笹奉納」と書きました」

「はだか男」たちとは違って、上半身はさらしを巻いて法被を羽織り、下半身は短パン姿。試着した感想は?

(参加者)
「気が引き締まる、やる気満々です」
「さらしに慣れてないのでちょっと苦しい」

飲みながら「女性でも何か参加できないか」と…

そして、かつて「国府宮はだか祭」の神男の経験者として、今回の女性参加についての協議に加わった国府宮鉄鉾会(こうのみやてっしょうかい)の西尾春彦さんと津田敏樹さんの姿も。

(大石アンカーマン)
「ここに至るまでどういった経緯が?」

(国府宮鉄鉾会・西尾春彦さん)
「はだか祭が好きな入山会長と話していて『女性でも何か参加できないか』という話を、飲みながらしていて、笹なら奉納できるのではと、それは神主さんと相談したんです」

(大石アンカーマン)
「衣装選びから何から初めてのことだから苦労もあった?」

(国府宮鉄鉾会・津田敏樹さん)
「裸に近いのがさらし、短パン、祭り足袋。女性ということで半纏(はんてん)を着ようと」

(大石アンカーマン)
「普通にアリだなって思いますよね」

(西尾さん)
「かっこいいですよね」

(大石アンカーマン)
「女性のみなさんにはどんな活躍を期待?」

(津田さん)
「この1年で終わるものではない、ずっと続けていきたい笹の奉納なので、楽しくやっていただきたいという気持ちだけ」

祭りの存続には女性の力も…

西尾さんによると全盛期は、約1万人の参加者がいたという「はだか祭」。しかし、コロナの影響も大きく受け、去年は1730人でした。祭り存続のためには女性の力も借りるべきとの判断に至ったのです。

(参加者)
「ワッショイ ワッショイ」

(大石アンカーマン)
「きましたよ。ホイッスルともに『ワッショイ ワッショイ』のかけ声が」

初めての儺追笹の担ぎ方の練習です。

(大石アンカーマン)
「それぞれ身長が違うから、肩に掛かっている人といない人と」

(大石アンカーマン)
「“ワッショイ”がいいのか、“ワッセ”がいいのか、かけ声をどっちにするのか悩んでるところ」

多数決で決めることになりました。

(大石アンカーマン)
「“ワッセ”の方!(挙手は0)。“ワッショイ”の方!(全員挙手)。会長!これは多数決で?」

(縁友会・入山会長)
「“ワッショイ”で」

(参加者)
「ワッショーイ!」
“天下の奇祭”の長い歴史が大きく変わります。国府宮はだか祭は、2月22日の開催です。

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