作家あさのさん原作の演劇披露へ 植樹祭アトラクション概要発表

制作発表会で思いを語るあさのさん(手前右端)。前野さん(手前右から2人目)と岸本さん(同3人目)も登壇した

 岡山市で5月に開かれる「第74回全国植樹祭」の岡山県実行委員会は22日、メイン行事の一つであるアトラクションの概要を発表した。美作市在住の作家あさのあつこさん(69)が大会テーマの「晴れの国 光で育つ 緑の心」を踏まえて原作を手がけた演劇で、高校生たちが地元の森林を未来へ引き継ぐ決意を強くする姿を描く。同日、岡山市内で制作発表会を開いた。

 アトラクション「この緑に抱(いだ)かれて」は、奈良時代の都・平城京の建築に岡山県産ヒノキが活用されていた史実を知った高校生たちが人と森林との理想的な関係について話し合い、豊かな森の継承を決心する―というストーリー。教師役は倉敷市出身の俳優前野朋哉さん(38)と岡山市出身のシンガー岸本由有さん(22)、生徒役は就実高(岡山市)の演劇部員が務める。

 制作発表会にはあさのさんや出演者ら計11人が出席。あさのさんは「古くから森と共に生きてきた岡山の歴史や魅力を若い人たちに託したいと願いながら、物語を作った。演劇としてどのように表現されるのか楽しみ」と語った。前野さんは就実高生徒との稽古の様子などを伝えた。

 全国植樹祭は天皇、皇后両陛下が臨席される「四大行幸啓(ぎょうこうけい)」の一つで、県内開催は57年ぶり2回目。今回は5月26日にジップアリーナ岡山(岡山市北区いずみ町)を会場に2千人規模で開く。

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