イラクに敗戦…日本代表、アジアカップ優勝へ「逆襲の鍵を握る」5名の選手

3大会ぶり5度目のアジアカップ制覇を目指す森保一監督の日本代表。

初戦はベトナムに4-2の逆転勝利を収めたものの、2戦目でイラクに1-2と敗戦。グループ1位通過が消え優勝に向けて“茨の道”を歩むことになった。

とはいえ、逆に覚悟が決まった面もあるはず。そこで、日本の逆襲に向けて「鍵を握る」5名の選手を紹介する。

前川黛也

批判の声に晒されている鈴木彩艶。彼に大きなミスがあったかと言えば、決してそうではない。ここまでの失点の多くが彼以外の要素に左右されている。

ただし、相手チームが現状鈴木に全く脅威を感じていないことも事実だろう。最後の砦であるからこそイメージは非常に重要。「2試合4失点の21歳GK」という情報は逆に相手を勇気づけるものだ。

そうした状況の中で、クローズアップされるのが昨季のJ1王者ヴィッセル神戸の守護神、前川黛也。プロ7年目で初めて正GKとして1年間を戦い抜いた29歳の実力者は、年齢的にも今大会の日本代表GK陣のキーマンである。

グループ1位通過なくなりラウンド16が大勝負になる可能性が高い以上、動くとすればインドネシア戦。森保監督の決断が注目される。

毎熊晟矢

鈴木同様、今大会は低調な姿が目立つ菅原由勢。彼の場合は昨年3月にスタメンに定着して以降、常に高いパフォーマンスを見せてきただけにより難しい状況と言えるかもしれない。

そんな右サイドバックのポジションにおいて、毎熊晟矢は菅原とは違った形のクレバーさを持つ選手だ。

セレッソ大阪の小菊昭雄監督から「和製ハキミ」と評された攻撃的サイドバックは、味方よりも相手を見て急所をえぐるようなプレーが得意。一見派手に見えても彼の判断は合理性にあふれている。

またフィジカル的な魅力が背中にあり、プレー姿勢の良さから周りに安心感を与えることができる。伊東純也とのコンビネーションも良好で、今の状況を“チャンス”に変える可能性は高い。

旗手怜央

今大会、サプライズ選出の一人だった旗手怜央。10月のCLアトレティコ戦で負傷して戦線を離脱し、ピッチへ戻ってきたのはアジアカップ直前の1月2日に行われたセントミレン戦だった。

徐々にコンディションを上げて迎えた今大会は、2戦目のイラク戦で74分から出場。後半アディショナルタイムにコーナーキックで遠藤航のゴールをアシストしている。

鎌田大地と田中碧を欠く今大会。戦力的に1点を追う状況での選択肢がやや狭まっている。その中でイラク戦は、旗手の存在が大きく浮かび上がる一戦だったと言える。

技術と戦術眼に長ける26歳は、狭い中盤のスペースの中で“交通整理”をすることができる。状態的にもフレッシュであり、とくにゴールが必要な状況ではチームにアイデアをもたらしてくれるはずだ。

堂安律

気持ちや意欲を前面に出す選手があまりいない現在の日本代表において、堂安律の存在は貴重だ。

しかも、1月という開催時期から欧州組が120%の力を注ぎ込むことがなかなか難しい今大会において、「10番」という背負うものがある堂安はある種“信頼のできる”選手でもある。

ここまで2試合に途中出場。カタールワールドカップの時のような決定力を発揮することはまだできていないが、イラク戦でもゴールに近づいたシーンがいくつもあった。

厳しいノックアウトステージを勝ち抜いていくためには、チームを勝利に導く男が不可欠。ドイツとスペインを相手にそれを成し遂げた堂安は紛れもなくその候補の一人だろう。

三笘薫

最後は、誰もが復帰を待ち望んでいる日本代表のエース。本来は「三笘薫の大会」となってもおかしくない今回のアジアカップだが、主役は遅れてやってくるものだ。

いまだ怪我からの復帰を目指している状況であり、インドネシア戦も試合出場は難しいとみられる。ただ、グループ2位通過となれば次の試合は31日。インドネシア戦からは中6日となる。

同じ左サイドでは中村敬斗がベトナム戦で大きなゴールを決めるなど存在感を見せているが、だからと言って三笘がいなくても大丈夫ということは全くない。

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なにより、先発だけでなく途中からでもゲーム展開を一気に変えられるのが三笘という選手の強み。“その瞬間”が訪れる時を今は静かに待ちたい。

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