龍の伝説が多く残る江の島。江ノ島神社の龍宮と岩屋洞窟をたずねて。

龍神信仰の篤い江の島。五頭龍と弁財天の伝説、「江ノ島縁起」をはじめとした龍にまつわり伝説が多く残されています。

軍記物語である太平記によると鎌倉幕府創設の頃、北条政時が子孫繁栄を祈るために岩屋洞窟で参籠したときに、目の前に弁財天が現れて政時の願いを叶えることを約束した後に、龍の姿となり海に消えていったと記されています。

その時に授かった龍の3枚に鱗をかたどり、北条家の家紋にしたことが3つ鱗紋の起こりです。このような龍神信仰を背景に龍宮は龍神を御祭神として江ノ島岩屋の真上に建てられました。

龍は不思議な存在ですね。十二支の動物の中で、なぜひとつだけ、架空の存在である龍が入っているのでしょうか。世界中に龍を見たことがあると語る人が時々いて、多くの芸術家が似たような姿の龍を描き残しています。長いヒゲを持ち果てしなく続くしっぽを揺らしながら悠々と泳いでいくあの姿は、もしかしたら架空ではなく時空のはざまに漂っているのかもしれません。龍はその人に使命を伝えるために現れる、というスピリチュアル的な見方もあるようです。

こんなにも多くの龍にまつわる伝説の残る島、江の島。ただの伝説ではないかもしれませんね。

© 株式会社MATCHA