【ミャンマー】ラカイン州の食品価格数倍も、紛争で悪化[食品]

ミャンマーに関する国連プロジェクト「ミャンマー・インフォメーション・マネジメント・ユニット(MIMU)」によると、2023年12月も西部ラカイン州の物価高騰が続いた。少数民族武装勢力アラカン軍(AA)と国軍との激しい武力衝突の影響で、前月比で数倍となった商品もある。道路封鎖やシットウェ港付近の戦闘で物流網が寸断され、生活必需品の需給が逼迫(ひっぱく)した。

生活必需品・食材では、マメや食用油が前日から約2倍となり、コメは州北部のシットウェとマウンドーで大きく上昇した。ニンニクやタマネギなどの野菜、豚肉・魚などもそれぞれ、値上がり幅は数十%から2倍以上になった。

MIMUは、シットウェ港が影響を受けていることで州内への商品輸送が滞るとの懸念を示している。州北部の2郡区(ラテダウン、マウンドー)では、「危機的水準に達する」との見込みを示した。

アラカン軍は昨年11月、ラカイン州で国軍側への攻撃を再開。今月には同州に隣接するチン州のパレワ郡区を「完全に占拠した」と発表した。双方が22年11月に合意した一時停戦が破れて戦闘が続いているため、23年11月から物価上昇が顕著となっている。

昨年12月までの1年間の各商品価格の中央値は、前年同期と比べて数十%以上となった。

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