バス運賃11%値上げ 茨城・関鉄パープル 3月中に適用へ

経済情報

関東鉄道グループの関鉄パープルバス(茨城県下妻市、宮野裕司社長)は22日までに、路線バスの運賃値上げを国土交通省関東運輸局に申請した。値上げ率は約11%となり、初乗り運賃(現金)は現行の170円から190円に上がる予定。実施は3月中の見込み。一般路線バス全線で適用される。

深刻化するバスの運転士不足を補うための人件費増加のほか、燃料費高騰などに対応するのが主な理由。運賃改定で主要路線の通勤・通学の1カ月の定期券料金は、通勤が1260円、通学が1080円上がる。

同社の路線バス事業は赤字運営が続き、2022年度の経常損益は2千万円の赤字だった。同社は「事業を継続し、今後も安全・安心・快適な輸送サービスを提供するためには改定が必要」と判断したという。

今後は利便性向上のため、乗り降りしやすいノンステップバスの拡大や、バスの位置情報をスマートフォンで確認できるバスロケーションシステムの採用への設備投資も見込む。

同社は昨年12月20日、下妻、つくば、土浦の3市で運行する平日の路線バス3路線で減便などを実施した。また3月末で、常総市で運行する路線バス1路線(石下駅-鬼怒中学校前)を廃止する。

同社を含む関鉄グループは、消費税率引き上げに伴う運賃改定を除き1997年6月から約26年間、一般路線バスの運賃を変えずに運行していた。関鉄はこれまで水戸駅-県庁前など主要路線でも値上げを公表した。

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