「食感コリコリ、ウナギの風味も」高校生が“うなぎの創作料理”に挑戦使うのは・・・頭や肝など【SDGs】

静岡県浜名湖名産のウナギ。近年、漁獲量が激減し、貴重な食材となっています。そこで、ウナギを余すことなく有効活用するべく、高校生たちがある挑戦をしました。

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<女子生徒>
「私は"ウナギの頭"を使って『ウナギのチュロス』を作っています!」
<女子生徒>
Q.何を使って作っていますか?
「"ウナギの肝"です」
<男子生徒>
Q.何を作っていますか?
「さつまいもと"ウナギボーン"のパイです」

2023年12月末、浜松市で行われた「高校生うなぎ料理コンテスト。使っているのは、ウナギはウナギでも、「肝」に、「骨」に、「頭」。廃棄されることが多いウナギの部位を使った、新しいレシピを考えました。

浜名湖の近くにあるウナギ直営店の加工場です。

<浜名湖養魚漁業協同組合 徳増源登さん>
「頭は特に関東方面ですと、無頭で販売することも多いものですから、頭は基本的には捨ててしまうというか」

頭はビタミン類やカルシウムなど栄養は豊富ですが、臭みが強いことなどから、あまり食べられることはありません。

今ではすっかり貴重なウナギ。稚魚のシラスウナギの漁獲量は県内では減少傾向にあります。2022年度は2019年度の半分を切る約695キロとなりました。

この現状を受け、新たなウナギの活用方法を提案しようと開かれたのが、「高校生うなぎ料理コンテストSDGs部門」です。

磐田農業高校の生徒が作っているのは、「頭」を使った「うなぎのチュロス」です。

<生徒>
「この中にうなぎの頭をペーストにしたものを入れています。その中に強力粉、しょうゆ、酒、みりんを入れて混ぜてあります」

臭みをとるために塩や酒を入れる工夫をしたそうです。

ほかの高校では、「肝を入れた炊き込みご飯」や「骨を使ったパイ」などを作っていました。

<うなぎの骨を並べる生徒>
Q.結構細かくいきますね?
「この方が食べやすいかなと思って」

料理はウナギ生産者や「うなぎパイ」でおなじみの春華堂のシェフなどが審査し、最優秀賞を決めます。

<審査員>
「非常においしいです。骨の食感もコリコリしていて、表面はサクッとしてちゃんとウナギの風味もしておいしかったです」

<審査員>
「一番SDGsで力を入れたのはどこですか?」
<生徒>
「肝だけじゃなくて野菜も皮とかに栄養があるので、なるべく捨てないように皮も入れました」

最優秀賞に輝いたのは…うなぎの頭を使った「うなぎチュロス」でした。

<磐田農業高校 鈴木佐季さん>
「まさか優勝をとれると思ってなかったので嬉しく思います。やっぱりウナギの頭ってあまり使われていないということもあって、野菜でも捨てるところは絶対食べられるところだから頭を使ってみようと思いました」

<浜名湖養魚漁業協同組合 徳増源登さん>
「昔からウナギは『捨てるところがない』と言われているんですが、実際には頭や骨だったり捨てるところが多くを占めているので、若い人たちが食べたいと思ってくれるような調理方法ができて有効利用されるのではないかという期待はあります」

高校生がウナギの可能性を広げています。

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