「書かない窓口」で手続き楽に 和歌山・白浜町が顔認証とマイナカードで申請書作成を実証実験

実証実験が始まった、顔認証付き本人確認装置を活用して申請書を作成するシステム(17日、和歌山県白浜町で)

 和歌山県白浜町は、顔認証付き本人確認装置やマイナンバーカードを活用した「書かない窓口」の実証実験を始めた。県内の自治体でこのシステムの導入は初めてという。町は、実験結果を踏まえ、本格導入を検討していく。

 観光を主産業とする町では、短期間で転入転出する外国籍の労働者が多く、窓口で手続きを行う際、日本語での申請書への記入に時間がかかるという課題がある。さらに高齢者から申請書への手書きが難しいという声もあるという。

 こうした課題を解決するとともに、利便性の向上やマイナンバーカードの普及、利用促進を目的に実験を始めた。包括連携協定を結んでいるリコージャパン(本社・東京)と協力して実施している。

 実験で使用しているシステムは、同社などが開発した「Caora(カオラ)申請書作成ソリューション」。石川県かほく市など全国約20自治体がすでにこのシステムを導入している。

 使い方は、タブレット端末を操作して、住民票、印鑑証明書など必要な申請書を選択。マイナンバーカード、運転免許証、在留カードなどの本人確認書類を装置にかざし、顔認証すると、氏名や住所などの個人情報が印字された申請書が作成される。作成までにかかる時間は約2~3分。

 実験は、町役場1階窓口で2月14日まで実施する。時間は午前8時半~午後5時15分。土日曜、祝日を除く。

 初日にこのシステムを使った町民は「操作がとても簡単で、すぐに申請書ができた。導入すればいいと思う」と話した。

 町担当者は「住民だけでなく、職員の負担も軽減できるシステム。町民の方には一度体感してもらいたい」と呼びかけている。

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