<特集>ミレニアルの肖像 Francisco (29) 経営

シアトルでは、大学でファイナンスとマーケティングをダブルで取っていたんだけど、そのほかに1日7時間ぐらい働いた。ベルボーイ、シェフ、バスの運転手……11種類ぐらい。大学を1年間、休学した時は、仕事を1日2シフトで7時間と8時間の合計15時間、夏は1日18時間、働いたよ。両親の仕送りはなかったし、儲けになるからね。人は最初に苦労した方がいいよ。それ以前の僕は、レストランでもウェイターに「おい、早くしろ!」みたいな感じだったけど、ホテルの仕事を経験してからは彼らの気持ちがわかったから、とても丁寧になったよ。「すみません、早くしてね」みたいになった。

帰国してからは、すぐに時計店を始め、2年前に2軒目の店をオープンすると同時に、革バッグのビジネスを始めた。もうすぐ次の店をダゴにオープンするよ。ここより2倍の広さなんだ。

ともかく、挑戦したいんだ。夢や挑戦のない人生は無意味だよ。年を取ってから「あれをやっておけばよかった、これをやっておけばよかった」と後悔したくない。お金はなくなってもまた作れるけど、時間は取り戻せないからね。
人生で、人と出会える機会はとても少ない。だから、もし新しい人と出会ったら、相手を思いやる気持ちを忘れちゃいけない。彼らはそれによって僕を覚えてくれるからね。こういった人生の価値は、お金じゃ買えないものなんだ。

Gudang Jam
種類豊富な時計が揃う。
Jl. Ternate No.29 / Jl. Riau No.18, Bandung
Tel : +62(0)22-423-7797
10 : 00 – 21 : 00

Winchester
住所・電話番号・営業時間は上に同じ。フランシスコさんがデザインし、自分の工房で制作した革製のバッグや小物を販売している。本革だがブランド品より安く、ファスナーを多用するなど機能的なのが特徴。

フランシスコ
1986年、ジャカルタ生まれ。3歳の時に家族とともにバンドンへ移る。シンガポールの中学に進学し、米シアトル大学で経営を学ぶ。帰国後、バンドンで両親の店「Gudang Jam」の経営を手伝う傍ら、革バッグのブランド「Winchester」を立ち上げ。

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