カタールの地で繰り返された屈辱 いまだ出場機会のないDF中山雄太が覚悟語る「試されているとみんな自覚している」

写真:中山のインドネシア代表戦はあるのだろうか? ©Getty Images

公益財団法人日本サッカー協会(JFA)の公式YouTubeチャンネル『JFATV』は、「Team Cam vol.04|イラク代表戦の舞台裏|AFC Asian Cup Qatar 2023|SAMURAI BLUE」と題した動画を公開。現在開催中のAFCアジアカップ カタール 2023に挑んでいる日本代表の様子を取り上げた。

日本代表は、現地時間1月14日に行われたグループステージ第1節・ベトナム代表戦を4-2で制して大会白星発進に成功。試合翌日は選手たちも幾分リラックスモードで、『JFATV』の動画では選手やスタッフ陣が29歳の誕生日を迎えたFW南野拓実を練習場や夕食会場で祝う様子が捉えられていた。

2連勝での決勝トーナメント進出が懸かるイラク代表戦を前にした記者会見では、森保一監督に“ドーハの悲劇”に関する質問が飛んだ。1993年当時、現役選手として日本代表のユニフォームに袖をとおしていた森保監督は「私自身は記憶に残っている」とコメントしつつ、「今は監督という立場で(カタールに)来ていて、自分の記憶が仕事の中でよぎることはありません」と断言した。

また、森保監督は「(記者会見場で)隣にいる板倉滉選手のように、(今の日本代表は)“ドーハの悲劇”のときには生まれてもいなかった選手たちばかり」と、現代表選手たちが過去の記憶に捕らわれていないことを強調。「日本サッカーの発展の中ですべてを克服して、世界で戦えるチームになっているという自信のもとでやれています」と語った。

試合直前、森保監督は選手たちに「どんな相手とアジアカップを戦ったとしても、我々にどうやってひと泡吹かせようか考えていると思う」という言葉を送っていた。そして、いざ試合が始まると、イラク代表は森保監督の言葉どおりアグレッシブなスタイルで試合を支配。日本代表は前半だけで2失点を喫する苦しい展開となった。後半は、日本代表がより相手ゴールまで迫る場面が増えたものの、得点は試合終了間際にMF遠藤航(リヴァプール/イングランド)が決めた1点のみ。日本代表は1-2で敗れ、グループステージ首位通過の可能性が消滅した。

試合後、森保監督は「もう次は始まっている」と、最終節のインドネシア代表戦に向けた気持ちの切り替えを選手たちに求めた。

控え組中心で行われた試合翌日の練習では、集中しつつも明るさを忘れない選手たちの姿があった。アジアカップでいまだ出場のないDF中山雄太(ハダースフィールド/イングランド)は、イラク代表戦の敗戦によって公式戦の連勝が『10』でストップした日本代表の現状について、次のように語った。

「ベトナム戦に関しては盛り返せましたけど、昨日のイラク戦に関しては盛り返すのが難しかった。その状況を変えるためには準備だったり、心身ともにもっとできたんじゃないかなと思っている時点で甘かったかな」

「ワールドカップ優勝を目指して活動していくという目標があるなかでのアジアカップだったので、この大会がそこ(ワールドカップ優勝という目標)に通ずる第一歩である重要性をもう一度みんなで噛みしめないと」

「ここが試されているんじゃないかとみんな自覚していると思います。『好事魔多し』じゃないですけど、好調なときにどれだけ良くないことに耐えられるか。どのスポーツもどの世界も全部良いっていうのは無理なので、ここを乗り越えるとチームとしてひと皮剥ける機会なのかなと思う。それを体現できるのは自分たち次第」

決勝トーナメント進出を目指す運命のインドネシア代表戦は、1月24日の20:30(日本時間)にキックオフを迎える。

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