新幹線、異例の終日運休 架線トラブルで停電

さいたま市中央区で停車した新幹線。降車した乗客らは線路脇の非常階段(左)から地上に向かった=23日午後1時12分(共同通信社ヘリから)

 JR東日本は23日、同日午前に発生した停電に伴い、東北新幹線の東京―仙台間、上越・北陸新幹線の東京―高崎間の上下線で終日運休を決めた。復旧作業中に爆発音がして作業員が感電。三つの新幹線が通過する区間の架線トラブルで新幹線の車両や地上設備が損傷しており、東日本から北陸にかけて交通網が大きく乱れる異例の事態となった。

 東北、上越、北陸の各新幹線は計283本が運休し、計約12万人に影響した。24日始発から運転を再開する計画だが、既に24日午前の東北新幹線と山形新幹線計2本の運休を決定した。

 23日午前10時ごろ、北陸新幹線金沢発東京行きかがやき504号(W7系12両編成)が大宮―上野間を走行中、停電が発生し停車した。1キロほど通過したさいたま市中央区で架線が約150メートルにわたって垂れ下がっていたことが判明。3号車と7号車のパンタグラフが壊れ、10号車の窓ガラス1枚にひびが入った。線路脇に乗客を降ろし地上に避難させた。現場付近では爆発のような音がし、男性2人が搬送された。作業員1人が感電したとしている。

新幹線が停車した高架から、負傷者を搬送する消防隊員ら=23日午後3時13分、さいたま市中央区

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