コメ輸送、首都圏へ効率化 2024年問題対応、県内業者ら実証事業

 

 岩手県内の運送業者と全農県本部などは、首都圏への効率的なコメ輸送に向けた実証事業に乗り出す。トラック運転手の残業規制強化で人手不足が深刻化する「2024年問題」への対応で、荷物の積み降ろし時にパレット(荷役台)ごと運ぶなど現場の負担軽減策を検証する。東北の物流量は3割減少するとの試算もあり、本県の基幹となる農林水産品の輸送力低下が危惧される。コメをモデルに幅広い分野の物流効率化につなげる。

 実証事業を行うのは東北運輸局や生産、流通企業などでつくる「トラック輸送における取引環境・労働時間改善県協議会」(委員13人)。残業規制が強化される4月までに、2カ月程度で成果を上げたい考えだ。矢巾町内で22日に会合を開き方向性を決めた。

 トラックに荷物を積み降ろす際、現状ではパレットに載せたコメ袋だけを積み込み、首都圏で再び別のパレットに降ろす場合が多いが、人手や時間がかかる。このためパレットごと積み降ろしができないか検証する。併せてコメ1トン程度が入るフレコンバッグの活用など省力化の方策を検討する。

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