アニメ『葬送のフリーレン』フェルンの“ナチュラル煽(あお)り”に視聴者も感服「さすがフリーレンの弟子w」

1月19日(金)に放送されたアニメ『葬送のフリーレン』第19話。“一級魔法使い”選抜の第一次試験も後半戦。ついに魔法使い同士の直接対決が勃発し、三級魔法使いの資格を持つフェルンの前にも北部魔法隊隊長ヴィアベル(二級)率いる手だれの敵パーティーが現れる。威力も高く派手な魔法を繰り出す相手…しかしフェルンはなぜか“基礎魔法”のみで応戦していた。その理由を何気なく口にした彼女の姿に、多くの視聴者が「さすがw」「フリーレンに似てきた!」と感服した。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆捕獲作戦、始動

3人一組に分かれて始まった、“一級魔法使い選抜試験”の第一次試験。幼なじみのコンビ、カンネとラヴィーネとパーティーを組んだフリーレンは、夜風の中でひとりたき火にあたっていた。仲良く寝静まる彼女たちを横目に、試験“1日目”を振り返る。

「ラヴィーネは乱暴だけれども、ちゃんと私を引っ張ってくれるんだ」。ケンカしてばかりの相手を、カンネはそんな風に言って笑っていた。……ふと、たき火の向こうにかつて共に旅をした仲間、勇者ヒンメルたちの姿が浮かぶ。あれはそう、竜との初戦闘を明日に控えた夜だった。

「怖いのか、アイゼン? 震えているぞ」。いつになく真剣な表情のヒンメルが、パーティーを鼓舞しようと“格好”をつけていた。“これは武者振るいさ”、そんな答えを期待していたのだろう。

アイゼンが正直に「怖い」と返すと、「そうか。僕も怖い」と思わず真顔に。なんとも締まりのない会話にハイターも笑い出した。「ヒンメル、自然体でいいんですよ。こういうのはきっと冒険の仲間ごとに変わってくるものです」

……「なるほど。確かに仲間ごとに違うみたいだ」。フリーレンはヒンメルたちとも、そしてフェルンたちとも違う新しいパーティーで活路を見出していく。

〈隕鉄鳥(シュティレ)〉の捕獲作戦を立てるフリーレンたち

翌日、フリーレンたちはさっそくシュティレの捕獲方法について話し合う。第一次試験の合格条件は2つ。“竜”のように頑丈で音速をも超えて飛ぶと言われる小鳥シュティレを、 試験”2日目”の日没までに捕まえてあること。そしてその時点でパーティー全員がそろっていること。何をおいても、まずシュティレを捕まえないことには話が進まない。

……だが、これまでにフリーレンたちがシュティレと遭遇したのはたったの3回。シュティレ自身は魔力をほとんど持っていないためそもそも“探知”ができず、そのくせ魔力には非常に敏感で、例え見つけたとしてもこちらの動きをすぐに察知されてしまうのだ。フリーレンは〈鳥を捕まえる魔法〉を持っていたが、その射程はわずか50㎝。ギリギリまで近づく必要があった。

そこでフリーレンは、ある“計画”を思いつく。水を凍らせるラヴィーネの魔法も、水を操るカンネの魔法も普通に使っていてはシュティレを捕まえられないが、別の用途ならば……? その計画は大胆不敵、かつ他のパーティー全員に“ケンカを売るようなもの”だった。

カンネとラヴィーネ 幼なじみの2人は対照的な性格を持つ

◆入念な計画

フリーレンたちがシュティレ捕獲の準備を進める一方、フェルンが所属する“第4パーティー”はすでにシュティレを捕まえ、日没までの行動に考えをめぐらせていた。パーティーのひとり、ラント二級魔法使いはシュティレを奪おうとする他パーティーの存在を懸念し、「試験終了まで潜伏してやり過ごそう」と提案。

ボサっとした前髪からのぞくメガネの奥には、かなりの慎重さが見え隠れしていた。対して、過去に“試験官”の命を奪ったという緑髪のユーベル(二級)は「えー、つまんないよ」と、“戦い”を望む。平行線な2人の会話を、フェルンはひとり無言で聞いていた。

そんな中、ひとまず飲み水の確保に動いた一行は“ある事実”に行き着く。それは、試験区域を囲む“物理結界”が雨どころか川の流れもせき止めてしまっていること。現に盆地中央の湖へ続く川は、すでに干からびていた。

水場が限られるということは、小鳥であるシュティレがやってくる場所も限られるということ。そしてその“ターゲット”を求めて、周辺には他のパーティが張り込んでいる可能性が高い。3人が思わぬ危険性に気がついた、その時……。

“攻撃魔法”が、茂みの陰から放たれた。まばたきすら許されない刹那の間(ま)に戦況が慌ただしく動く。ラントは身構え、フェルンは防御魔法を展開し、ユーベルは不敵な笑みを浮かべる。

そして、茂みから姿を現した北部魔法隊隊長ヴィアベル(二級)率いる “第8パーティー”。「面倒臭ぇな。今のに反応できんのかよ」。高圧的なヴィアベルは、シュティレの入った籠を要求する。「嫌だって言ったら?」。笑って返すユーベルに、ヴィアベルもまた笑みを浮かべる。「なら言葉は不要だな」。

目を見開いたヴィアベルが再び戦闘の構えをとったその瞬間、今度は湖の方向から切り裂くようなごう音が響きわたった。

ヴィアベルたちの奇襲にも難なく対応するユーベル その実力の程はいかに…

湖のそばで身を潜めていた別の参加者たちは、目の前の光景に息をのんだ。「おいおい、何のつもりだ?」「しゃれにならんぞ」。……気づくと、湖が凍っている。その中心には、あのラヴィーネの姿があった。彼女は凍った湖の上を逃げるように走り去っていく。多くの参加者たちがただただあぜんとし、そして騒然とした。

……その中でただひとり、ラヴィーネの動向を落ち着いた様子で見つめる老魔法使いがいた。髭(ひげ)をたくわえたモノクルの男、“第13パーティー”のデンケン(二級)。彼はこの“奇行”が「ラヴィーネたちが練った入念な計画」であることを見抜いていた。「シュティレは第2パーティーから奪うぞ。これだけ暴れたということは、シュティレを捕獲する算段があるということだ……」

第13パーティー (左から)ラオフェン、リヒター、デンケン

◆波乱の幕開け

ラヴィーネが周囲の気を引いている間に、フリーレンは一つの水場に“当たり”をつけていた。周囲のほとんどを高い岸壁に囲まれ、森の出口に位置したその場所が、彼女たちの計画の本舞台。フリーレンは水場のほとりにちょこんと座ると、そばにシュティレのカゴを用意した。少しして “仕事”を終えたカンネが走ってくる。

「池や泉に、手当たり次第に魔力を込めてきたよ!」。そう、ラヴィーネが主要の湖を、カンネがその他の小さな水場を“魔力で満たす”ことで、シュティレが訪れる水場を限りなくしぼる。それこそがフリーレンの狙いだった。

「じゃあ私は、ここでシュティレを待ち伏せするよ」。フリーレンはそっと目を閉じると、体外の魔力量を限りなくゼロに近づける。卓越したその技術に驚きながら、カンネたちも見張りへついた。しばし、沈黙が訪れる。水場へやってくる別の動物や魔物は、そばにいるフリーレンを全く気にしなかった。

辺りが暗くなり始めた頃、その左肩にはようやく羽を休める一羽の“小鳥”が……。ほほ笑みを浮かべてフリーレンは、まばゆい光でシュティレを包む。 “ターゲット”の捕獲に喜ぶカンネとラヴィーネ。だが、“その瞬間”を待っていたのは彼女たちだけではなかった。「……やはり魔法を使いおった」。

遠く離れた森の中で、あのデンケンがつぶやく。刹那、フリーレンたちの目の前に第13パーティーのひとり、ラオフェンが現れた。「逃げるのは、もう遅いみたいだね……」。フリーレンは避けられない戦いを前に、ゆっくりと敵を見やった。

防御魔法を展開するフェルン その表情はとても落ち着いている

……時を同じくして、フェルンの戦いも激化していた。相手は第8パーティーのひとり、エーレ(二級)。ワインレッドのマントをひるがえしながら、凛(りん)とした表情でこちらを見据えている。彼女の魔法〈ドラガーテ〉は中小いくつもの石を弾丸に変えて放つ。その威力はまるで砲弾……。

フェルンは“防御魔法”を展開しつつ距離をとっては、“一般攻撃魔法”を駆使して反撃の機をうかがっていた。

フェルンと対峙(たいじ)していて、エーレは思った。使ってくる魔法は“基礎的なもの”だけ。洗練されているが、“古い戦い方”だと。「手の内は見せないつもりかしら?」。

周囲に石をとどめたままフェルンに問いかける。すると彼女は、「戦闘では基礎的な魔法以外は使わないよう言われている」と、“師匠”の教えであることを明かす。そして、続けた。「この時代の魔法使いなら、それだけで十分だと」と。

「……そう」。エーレはこれまで以上の数の“石つぶて”を、フェルン目掛けて撃ち放つ。が、土煙の向こうには、涼しい顔で“石の雨”を交わすフェルンが見えた。……その姿に、エーレはまた“違和感”を覚える。戦いの気迫も見せず、手の内も明かさず、そして焦る様子もない敵。彼女は思った。まるで熟練の魔法使いと対峙(たいじ)しているみたいだ、と。

一方のヴィアベルはユーベルと対峙 どんな戦いを見せるのか次回に期待だ

◆ファンにはうれしい、師匠譲りの“煽(あお)り”

フリーレンとフェルンが新たな”仲間”とそれぞれの展開を見せるなか、視聴者からの反響が特に大きかったのがフェルンの“煽(あお)り文句”。敵対するエーレから、なぜ基礎魔法しか使わないのかを尋ねられた彼女は、“師匠の教えだから”と「この時代の魔法使いなら、それだけで十分」と返答。素直さが裏目に出てしまい、図らずも相手を煽(あお)る形となってしまった。

余裕を見せつけるフェルンの姿に、多くの視聴者が「さすがフリーレンの弟子w」「ますます似てきたよね」と師匠譲りの言動にある意味で感服。SNSには彼女の成長を喜ぶ声とともに、「舐(な)めプはトラブルが起きますよ」「フェルンって煽(あお)りスキル高い?」「ナチュラルに煽(あお)りよるww」など、そのあまりにも自然な煽(あお)りっぷりに多くの笑いとツッコミが生まれた。

次回『葬送のフリーレン』第20話は、1月26日(金)「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」(全国30局ネット)にて放送予定。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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