東海地方は25日にかけて山間部を中心に平野部でも大雪のおそれがあります。
そこで心配なのが、雪道での車の運転。
どのような備えが必要なのか、JAFの専門家に対策を聞きました。
JAFが行った雪道での走行実験によりますと、ノーマルタイヤのまま時速40キロで走る車がブレーキをかけた場合、車が完全に停止するまでの制動距離は約30メートルにも及びます。
(JAF愛知支部 武藤敏行さん)
「たとえ走れたとしても、止まらないというのが(雪道の)特徴。速度をしっかり抑えた状態で走っていただくこと」
風がよく通る橋の上やトンネルの出入り口付近は特に路面が凍結しやすく、速度の出し過ぎは非常に危険です。
雪道でのノーマルタイヤは超危険
続いてノーマルタイヤのままで坂道を上れるのかという実験。
途中でタイヤが空転し、そのまま車は滑り落ちてしまいました。
(JAF愛知支部 武藤敏行さん)
「多くの方が目的地の天候を確認して『行き先が雪だから気を付けよう』という人は多いが、その道中だけ雪が降ることもあるので、道中も天候を確認して出発していただきたい」
雪道を走る場合、重要なのは事前の準備ですが、やはり効果があるのはタイヤに装着するチェーンです。
(JAF愛知支部 武藤敏行さん)
「どのチェーンも共通しているが、裏と表があるので見間違えないようにしたい」
効果は高いものの、初心者にはやや難しいのがチェーンの装着。
金属製のチェーンの場合、表と裏を間違えるとタイヤが傷つき、パンクしてしまうこともあるといいます。
かぶせやすい布製のタイヤカバーも効果あり
そこでおすすめなのが布製のチェーン。
(JAF愛知支部 武藤敏行さん)
「圧雪の路面では(布製チェーンは)金属製に引けをとらない性能」
この布製のチェーン、最大の特徴は素早く簡単に装着ができることで、取り付ける際は、まずタイヤの上半分に布を被せます。
被せたら車を前に進ませてタイヤを半回転動かし、その後は残った部分をタイヤにかぶせるだけです。
慣れれば3分ほどの時間で装着できます。
一般的な布製チェーンは2本セットで1万円程度の価格で購入できるということです。
この布製のチェーンを装着し時速40キロで雪道を走行してみるとブレーキをかけてから停止するまでの制動距離は約20メートル。
ノーマルタイヤより約10メートル手前で止まることができました。
それでも、やはり油断は禁物です。
(JAF愛知支部 武藤敏行さん)
「急ハンドルや急ブレーキはスリップを誘発するので、スムーズな運転を心がけていただきたい」
たとえ事前に十分な備えをしたとしても、やはり慣れない雪道の運転には細心の注意が必要です。