ユーリ阿久井 ボクシング世界王者 岡山のジム所属初 WBAフライ級

無敗の王者に判定勝ちし、世界王座を獲得したユーリ阿久井政悟=エディオンアリーナ大阪

 世界ボクシング協会(WBA)フライ級タイトルマッチは23日、大阪市のエディオンアリーナ大阪で行われ、倉敷市出身で同級1位のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が王者アルテム・ダラキアン(ウクライナ)に3―0の判定勝ちを収め、王座を奪取した。岡山県内のジム所属選手が世界王者になるのは初めて。

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 世界初挑戦の阿久井は変則的な相手に対し、序盤から圧力をかけ、左ジャブやボディーを打ち込んだ。急所を捉えるには至らなかったが、終始前に出て22戦無敗の王者に土を付けた。

 28歳の阿久井は環太平洋大在学中の2014年にプロデビュー。19年に日本フライ級王座を獲得し、県内ジム所属選手として38年ぶりの日本王者となった。3度の防衛を経て昨年1月にタイトルを返上していた。悲願のベルトを手にした阿久井は「支えてくれた家族やジムの先輩、そして守安(竜也)会長のみんなで取ったチャンピオン」と感謝した。戦績は22戦19勝(11KO)2敗1分け。

 ゆーり・あくい・せいご 倉敷守安のプロだった父、叔父の影響で倉敷北中2年で入門。翠松高に進み、アマでは2度の国体入賞などの成績を残した。プロ2年目の2015年に岡山県内のジム所属選手では初となる全日本新人王(ライトフライ級)を獲得。リングネームのユーリは元世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の勇利アルバチャコフにちなむ。163センチ。

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