「鉄拳8」発売直前プレイレポート!ドラグノフの下段やクマ風神拳を調査&全キャラのヒートタイプを分類してみた

2024年1月26日に発売予定の「鉄拳」シリーズ最新作「鉄拳8」について、発売直前プレイレポートをお届けする。

遂に発売となる「鉄拳8」。心待ちにしているひとも多いのではなかろうか。「鉄拳」というタイトルを、シリーズを知らない人向けにざっくり説明すると、“デビルの血”と呼ばれる呪われた力をめぐって親子三代が喧嘩する格闘ゲームシリーズである。

先日、非常にわかりやすい解説動画がバンダイナムコ公式チャンネルにてアップされたので、まだ見ていない人はチェックしておこう。

で、そんなシリーズの最新作が「鉄拳8」だ。今回、一足早く製品版をプレイする機会をいただいた。本稿は、筆者がPVなどを見て気になっていたポイントをまとめて調査し、皆と共有していく調査レポート、もといプレイレポートである。

※記事内で使用する記号
F:フレーム。1フレームは60分の1秒で、発生2F=ボタンを押してから2/60秒後に技が出るという意味。
テンキー表記:5をニュートラルとし、キーボードのテンキーにレバーの入力方向を当てはめたもの。例えば、前→後ろ→前なら6→4→6となる。

■調査1:ヒートシステム、全キャラ分類するとどうなるんだろうか?

格闘ゲームを起動して最初に行う事。それは“キャラ選択”である。

シリーズをプレイしていた人もそうでない人も、本作でキャラクターを選ぶときに一つカギとなるのが、新システムの“ヒート”だろう。

キャラクターの性質を大きく変化させ、立ち回りを変化させるヒート。これまでβ版などをプレイしていて筆者はあることを思った。「これ、何となく傾向があるな」と。

そこで、トレーニングモードにこもり、参戦キャラクター32人のヒートを分類してみた。ちょっとした解説もつけるので、発売前後のキャラクター決めの参考にしてみてほしい。

今回区分したヒートの種類は以下の通り。

  • 新技追加:ヒート中限定の技が使用可能になる。少し迷ったところだが、既存の技が別物レベルで変化するキャラクターも一部こちらに入れてある。
  • 技強化:既存の技が強化されるキャラクター群。ガード時のフレームが強化されたり、コンボ始動技になったりと、変化には多少の差がある。
  • 強化付与:独自の強化状態を持つキャラクターは大体これ。強化中限定の技がいつでも打てるようになる。
  • 特殊:いずれにも属さない特殊なキャラクター。ガード時の削りダメージ増加など、少し変わった能力付与が行われる。
  • ※回復可能:ヒートゲージの回復ができるキャラクター。分類自体は別のどこかに属している。

新技だけど、既存技の上位互換という使用感のキャラクターは技強化に。既存技の変化形や派生技だけど用途が変化するものは新技としてカウントしている。この辺りは個人によって判断が異なる点なので、多少の差異はご容赦いただきたい。

では、それぞれの特徴や注目キャラクターについて、軽く解説しよう。

新技追加組

該当キャラクター

  • 風間仁
  • ラース
  • シャオ
  • アズセナ
  • スティーブ
  • シャヒーン
  • クマ
  • パンダ
  • ヴィクター
  • 麗奈

新技追加組は、筆者が一通り試した中だと、一番“ヒートの恩恵を活かしやすい”キャラクターという感じ。ヒート中限定の技はわかりやすく強いものが多いので、「とりあえず撃っておくか」で割と試合を動かせる印象だ。

仁ならデビル仁の技を派生として使えるなど、キャラクターコンセプトに沿ったカッコいい技が追加される

ラース、アズセナ、スティーブの3人は既存の構えに移行するための新技が追加され、構えからの読みあいに行く機会が強化される。特にラースは突進に判定が付き、ガードさせたうえでサイレント・エントリーに行けるので、不足しがちだった強引な攻め力が強化されているのではなかろうか。

技強化組

該当キャラクター

  • 一八
  • ポール
  • ロウ
  • キング
  • ジャック8
  • ニーナ
  • リリ
  • ファラン
  • 吉光
  • ドラグノフ
  • フェン
  • ザフィーナ
  • デビル仁

技強化組は、既存技のどれかが高性能になる恩恵を受ける。あくまで既存技が強くなるので立ち回りが変わるわけではないが、大幅な強化をうけるので“やることは大きく変わらないけどより強気に立ち回れる”という印象だ。

ガード時のフレームがよくなったりと、より気軽に技が触れるようになる。

強化付与

該当キャラクター

  • 飛鳥
  • ブライアン
  • クラウディオ
  • レオ

このキャラクター群は、もとから持っている強化状態の技を強化なしに使えるという恩恵を受ける。クラウディオなら、スターバースト中の技をいつでも出せるといった感じだ。

これはヒートと関係ないことだが、レオは気合だめ(全ボタン同時押し)で強化を付与できるようになっている。

レオの強化は本作では「閃電」という名前になっているが、もともとレオは気合だめ中限定で追加の技が出せるという仕様だった。これが本作で強化扱いになった名残だろう。

気合だめ中はガードできないが、気合だめの効果と閃電付与はそれぞれ別なので、気合だめ→ジャブを当てるとすれば、気合だめの効果は解除、閃電付与だけが残る。レオは実戦的に気合だめを狙っていくのも良さそうだ。

特殊組

該当キャラクター

  • リロイ
  • アリサ
  • リー

特殊は、文字通り分類不能と筆者がペンを投げたグループである。こちらは該当キャラクター全て、簡単ではあるが解説しよう。

リロイ

リロイ特有の拳の連打技(連環拳など)での削りダメージが増加するという特性。なのだが、基本的に連環拳系は確定反撃なのでそもそもガードさせたくない。ヒートの恩恵としては控えめだが、代わりにリロイは1試合中1回だけ使える杖技があるので、ヒート状態は控えめになっているのだろう。

リー・チャオラン

リーの一部の技を出すときに要求される“ジャスト入力”を補助する、というのがリーのヒート恩恵。そもそも猶予が1Fしかないジャスト入力を代行してくれるのは嬉しい点だ。さらに、ジャスト入力を成功させたときにはヒートゲージの残りが大きく回復するので、ジャスト入力が上手ければ半永久的にヒート状態を維持できる。

アリサ

ヒート中、新技として前作のブートにあたるチェーンソーモード以降技が使えるようになるが、メインとなる効果はチェーンソー技の削り効果上昇だろう。リロイと比較してガツガツガードさせて行ける技がおおいので、削り効果の恩恵を受けやすいだろう。

回復可能組

該当キャラクター

  • キング
  • シャヒーン
  • リー

特定の行動でヒートゲージが回復可能なメンバー。それぞれの回復可能条件は以下の通り

回復できるキャラクターは貴重なので、これらのキャラクターに興味がある人はぜひ、回復効果も意識して狙ってみよう。

■調査2:PVで気になっていたあの技この技を独断と偏見で調査

続いては、これまで公開されていたPVのなかで、話題になったものや筆者が気になっていたものを調査していこうとおもう。

クマ風神拳。中段最速風神拳はさすがに強い

PVが公開された時点で話題になっていたが、新技追加組の中に一人特筆すべき怪物がいたので紹介しておきたい。その名はクマ。

本作では、前作「鉄拳7」で行方不明になった平八を追っているというこのクマ。ヒート中には、なんと三島一家の奥義「風神拳」を改造した「熊風神拳」が追加される。

性能は発生15Fで、ヒット時にコンボ始動、ガードで+7フレームの“中段”となっている。クマ、その技ご主人様より強くないか?

ヒート中のクマ相手にうかつにしゃがんだら、気分で打った風神拳に浮かされて普通にコンボを喰らう。今作、デビル一八の風神拳が上段になっていたので一安心していたら、思わぬところに中段風神拳が追加されていた。野生の力は恐ろしい。

レイジアーツもかなり驚きのギミック付となっているので、ぜひ製品版で見てみてほしい。

まさにフレームの暴力。ドラグノフに下段を与えたらこうなる

PVで新技の多くが散見され、「この新技、下段だったら強そうだね」という話が一部SNSで話題になっていたドラグノフ。筆者が確認してみたところ、ただの下段どころか普通に強い下段をいくつももらっていたのであった。

最初に、蹴り下ろすような回し蹴りを放つデススコルピオ。こちらは発生20Fで、ヒット+7F、ガードで-15Fという下段技。ダメージも23となかなか高い(これまでの主力下段だったシャープナーが17ダメージ)。

なによりヒット時の有利フレームが優秀で、反撃をつぶす行動が優秀なドラグノフと相性がいい。有利フレームを活かして、ガードさせても有利が取れるブリザードハンマーやロシアンフック・アサルトを再度狙っても良い。

ガードで反撃確定だが、優秀な中段技が豊富なドラグノフにしゃがみガードという選択肢は取りづらい。当たると思ったらどんどん振っていこう

カウンター時はダウンが取れ、ダウン追い打ち専用のモルグなどで追撃できる。

あとは、しゃがみ中に3LP→RKで出るヘルスライサー。ヒット時+7でスニークに移行、ガード時は2発目が出ず、-13Fとなっている。

こちらはジャスト入力でダメージが上がる特性があり、通常時は18ダメージ、ジャストで22ダメージとなかなか火力がでる。スニークからRKで、ガードで7F有利が取れる中段のかかと落とし(デトネーター)が追加されているので、ヘルスライサー→デトネーター→トゥースマッシュ→デトネーター……みたいな今までのドラグノフにない二択攻めが可能となっている。

これまで、シャープナーの性能があまり良くなかったので、「有利フレームをとってもやることがない」という弱点があった。だが、強力な下段をもらった今回のドラグノフ、結構強いんじゃないだろうか。筆者は今回プレイしていて、一番手ごたえを感じたキャラクターである。

これは余談だが、ロシアンフック・アサルトに最速入力で威力が上がるという、最速風神拳ならぬ“最速アサルト”が追加されていた。25→30と大幅アップするので、狙える時はぜひ狙っていきたい。

最速アサルト。拳にエフェクトが付きダメージが上がる。

デビル仁の飛魂蹴や奈落、どうなった?

最後に、未だPVが公開されていないデビル仁について、技性能を調査してみた。

「鉄拳7」初期でかなりの猛威を振るってから、かなりの弱体化を喰らったデビル仁。コンボ火力減少、飛魂蹴でダウンが取れないなどの弱体化が痛手だったが、「鉄拳8」でどうなったか見てみよう。

ビジュアルからも人気が高いデビル仁。操作難度は高いが、使いたい人も多いのでは?

まず奈落こと奈落堕とし。最盛期は一段目止めからコンボに行くことができ、作品によってコンボに行けたり行けなかったりする気まぐれな技だが、本作では初段からコンボは不可、二段目を両パンチ入力にすることでコンボに行ける。

49ダメージとなかなか高ダメージ。今作のデビルは下段がなかなか強力だ。

皆気になってるであろう飛魂蹴は、相変わらずダウンが取れない性能となっていた。だが、ヒート対応技になっており、ヒート中ならヒートダッシュでコンボ始動技に変えられる。ヒート中なら強気に振っていって良いだろう。

中段択は未だ少し弱いが、ゼロ距離でもダッシュができるようになっている関係上、空斬脚でダメージを取りに行っても良いだろう。いっそ、紫雲二段蹴りでコンボを狙ってしまってよいかもしれない。

■調査まとめ・全キャラかなり個性がパワーアップしておもしろく

色々と筆者が鉄拳8で気になっていた点をレポートしてきたが、いかがだっただろうか。すこしでも気になっていた点が解消されてくれれば幸いだ。

まだまだ気になる点があるかもしれないが、のこりの調査はぜひ今これを読んでいるあなたが引き継いでほしい(ありきたりなオチと言わないで)。

筆者が体験した限り、全キャラクター非常に個性が強化されており、とても調べがいがあった。キャラクターを選ぶだけでここまでワクワクできる格闘ゲームは久しぶりだ。

また、ストーリーモードの戦闘カット版がYouTubeチャンネルにてアップされているので、ぜひあわせてチェックしてほしい。麗奈が平八のレイジアーツを使うシーンなど、見所満載となっている。

TEKKENTM8 & (C)Bandai Namco Entertainment Inc.


© 株式会社イクセル