「REBEL MOON」のソフィア・ブテラ、ペ・ドゥナ、エド・スクラインが撮影の裏話を披露

壮大な銀河を舞台に、悪の帝国に立ち向かう人々の死闘を描いたSF巨編「REBEL MOON」。2部構成からなる本作の配信を記念し、主人公・コラ役のソフィア・ブテラ、戦士・ネメシス役のペ・ドゥナ、悪の提督・ノーブル役のエド・スクラインが来日した。

── まずは、それぞれのキャラクターについて教えてください。

ブテラ 「私が演じたコラは戦士です。そんな彼女を演じるにあたっては、ダンサーとしての経験を生かすことができました。ダンサーであることは私の人生の大きな一部であり、行うことすべてに役立っていると言っても過言ではありません。コラを演じる上ではいろいろなトレーニングでコンディションを整え、食生活にも気を配る必要がありましたが、その基礎は既にできていたと思います。それに、アクションを学ぶ際にもダンサーの経験が生きましたね。動きを見て覚えることに慣れていたし、それを体で表現するのも私にとってはごく自然なこと。ただ、銃で戦ったことだけはなくて! 銃を持って戦うコラの動きを自分のものにするため、早い段階からスタントチームと一緒に彼女の立ち振る舞いを考えていきました」

「ネメシスはコラとともに戦うことになりますが、彼女はすごく韓国的なキャラクターです。私が演じているのだから、そういった要素は自然と入ってきますよね。衣装もそう。帽子を含め、ネメシスが身につけているのは韓国の伝統衣装です。実を言うと、ネメシスの帽子は男性用で。あの衣装を提案したのは衣装担当のステファニー(・ポーター)ですが、衣装合わせの時に用意されていたのを見てすごくワクワクしました」

スクライン 「この映画は、逆境に立たされた勝ち目のない人たちの物語です。とてつもなく大きな軍に、弱き立場の者たちが戦いを挑む。その中で僕はノーブルという男に、弱者に脅威を示すという役割を与えました。彼はとても恐ろしく、邪悪で、残虐。演じた僕でさえ、映画の中にいる彼を見ると怖いです(笑)。知り合いにはなりたくないですね。普段の僕はむしろ、彼に挑む人たちの方ですよ」

── 皆さん、劇中ではパワフルなアクションを披露していますね。

ブテラ 「アクションは大好き! なかでも、ノーブルとの対戦シーンが気に入っています。コラが何を守るために戦っているのかがよく分かるシーンですし、多くの女性が直面する出来事に対しての目くばせにもなっています。限られた時間の中で撮影しなくてはいけないシーンでしたが、みんなの懸命な努力によって生み出すことができました。私自身の感情をコラに重ね合わせながら演じられたシーンでもありますね」

── トレーニングは大変でしたか?

「撮影地のロサンゼルスに到着してすぐ、トレーニングセンターに連れて行かれました(笑)。私以外のキャストもそうだったと思います。そこで来る日も来る日も一緒にトレーニングをしていたので、キャストの皆さんと友情を育む時間にもなりました。ウエイトトレーニングをしたり、スタントの練習をしたり…ダンスも、乗馬も。休みは1日もなかったです。だから、お金を稼ぐのって大変だなあって(笑)」

スクライン 「僕はノーブルを筋骨隆々(りゅうりゅう)の男にはしたくありませんでした。どこか奇妙で、細身だけど恐ろしい存在にしたかったんです。なので、僕の場合は機能的なトレーニングが中心でしたね。それに並行して役作りを行いましたが、キャラクターを作るのは真っ白なキャンバスに色を塗っていくようなもの。どの色をどう塗るか、その選択が楽しいんです。そんな中、ノーブルに関しては色をどんどん削ぎ落とすことが大事でした。良心という色を削除し、人間味という色を削除し…。そうやって冷酷な彼を生み出していったんです」

── 完成した作品を見ての感想を聞かせてください。

ブテラ 「私たちは153日間の撮影中ずっと、自分たちのいる空間に没入していました。その結果をスクリーンで目にしたわけですが、めまいがするほど素晴らしかったです。個人的に気になっていたのは、オープニングのシーンですね。サンタクラリータの砂漠で撮ったんですが、現場にはタランチュラや蛇の専門家もいて『え?』となりました(笑)。灼熱の中、ブーツを履いて撮影したことも思い出深いです。ただ、あまりに楽しく撮影したシーンだから、『大丈夫だったかな?』と心配していて。いいシーンになっていてよかったです(笑)」

「完成した映画は韓国で見ましたが、本当に驚きました。スクリーン上に映し出されたものが想像をはるかかに超えていて。私の格闘シーンもすごいですよね。『こんなことしたっけ?』というくらい(笑)。ザック(・スナイダー監督)が編集でいろいろと工夫してくれたおかげで、すごくかっこよくなったんだと思います」

スクライン 「映画製作って、リレー競争みたいなものですよね。僕たちは100mを全力疾走し、バトンをつなぎます。いや、この映画の場合は100マイルくらいかな(笑)。その中でキャストやスタッフと絆を結び、ものすごい経験をしました。なので、出来上がりを見た時は感動しましたし、レースの思い出を振り返っている気分にもなりましたね。こうしてつないだバトンを、今度は観客の皆さんに託したいです」

【プロフィール】

ソフィア・ブテラ(Sofia Boutella)
1982年4月3日生まれ。アルジェリア出身。ダンサーとして活躍した後、女優に転身。「キングスマン」(2015年)の殺し屋・ガゼル役で一躍ブレークする。ほかの出演作に「スター・トレック BEYOND」(16年)、「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」(17年)、「アトミック・ブロンド」(17年)、「華氏451」(17年)などがある。


ペ・ドゥナ(Bae Doo-Na)
1979年10月11日生まれ。韓国出身。「ほえる犬は噛まない」(2000年)、「復讐者に憐れみを」(02年)、「グエムル -漢江の怪物-」(06年)などで韓国を代表する女優に。日本映画の出演作に「空気人形」(09年)など、ハリウッド映画の出演作に「クラウド アトラス」(12年)、「ジュピター」(15年)などがある。


エド・スクライン(Ed Skrein)
1983年3月29日生まれ。イギリス出身。「トランスポーター イグニション」(2015年)で主人公のフランク・マーティン役に抜てき。その後、「デッドプール」(16年)、「アリータ:バトル・エンジェル」(19年)、「マレフィセント2」(19年)などの大作映画に出演。近作は「モナ・リザ アンド ザ ブラッド ムーン」(21年)など。

【番組情報】

Netflix映画「REBEL MOON:パート1 炎の子」
Netflixで世界独占配信中
巨大な帝国が支配する銀河。自らの暗い過去から逃げ、惑星の片隅にある村で暮らす戦士・コラ(ソフィア・ブテラ)だったが、帝国の軍勢が村を襲撃。村を守るため、コラは壮絶な戦いに身を投じていく。「ジャスティス・リーグ」のザック・スナイダーが、黒澤明の名作「七人の侍」にインスパイアされて構想を練ったSF巨編。「REBEL MOON:パート2 傷跡を刻む者」は4月19日世界独占配信。

文/渡邉ひかる

© 株式会社東京ニュース通信社