かみね公園に交流拠点 茨城・日立市 飲食や眺望楽しむ場に 民間活用、26年供用へ

かみね公園頂上芝生広場の展望台から見える海と市街地=日立市宮田町

茨城県日立市宮田町の同市かみね公園の活性化を図るため、市は、海や市街地を一望できる公園頂上の芝生広場に、新たに交流拠点施設を整備する。民間事業者の力を生かす公募設置管理制度(パークPFI)を活用し、飲食や眺望を楽しめる場所を設ける。2026年3月の供用開始を予定している。

同公園には県内唯一の動物園に加え、遊園地や市民プールなどが立地。来園者数はピーク時の約7割の60万人前後で推移し、施設の老朽化が進んでいることから、市は21年にかみね公園活性化基本計画をまとめた。

交流拠点施設の整備は、同計画に基づく第1弾の事業となる。民間資本を活用する対象は、頂上芝生広場の約7千平方メートル。計画では「交流やすらぎゾーン」と位置付けており、事業者には眺望や夜景を楽しみながら飲食できる施設の提案を求める。

市によると、既存の展望台は建設から約40年が経過。公園の利用者層についても現在は子どもが中心で、それ以外の世代や県外客、インバウンド需要の取り込みなどが課題となっているという。

このため女性や若者などにも来園してもらえるよう、芝生広場でのイベント開催などによる年間を通したにぎわい創出や、新たな観光スポットとして来訪の目的地になる施設づくりを期待している。

市は、交流拠点を公園の中央に配置することで、最も人気のある動物園の集客効果を公園全体に波及させたい考え。現在園内では軽食の提供が中心のため、新施設は既存店との差別化を図る。

事業期間は20年で、収益施設を除いた園路などの公共部分の整備には市が最大9千万円を負担する。市は4月に公募を行い、5月にも事業者を選定して協定を結ぶ。

同公園は1957年に動物園と遊園地が開園し、83年にレジャーランドと市民プールが完成。2004年に吉田正音楽記念館が開館し現在の姿になった。日本のさくら名所100選や日本夜景遺産にも認定されている。

市は将来的に年間100万人の公園利用者を目指している。実現に向けた基本計画では優先事項として、動物園の獣舎整備やサクラなどの植樹、交流拠点施設、新たな駐車場、フィールドアスレチック・宿泊施設の導入を掲げている。

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