福島から盛岡まで6時間、ぐったり 新幹線運休・本紙記者ルポ

新幹線の乗り換え客らで混み合うJR盛岡駅。臨時「窓口」が設けられ、駅員が慌ただしく対応に当たった=23日午後5時ごろ、盛岡市

 東北新幹線が停電に伴い終日運休した23日、東京出張のため午前9時台にJR盛岡駅から乗ったはやぶさ12号が福島駅で停車を余儀なくされた。在来線で盛岡へ引き返したが、その道中でも復旧の見通しが立たず、各拠点駅は困惑する人であふれた。福島から盛岡まで丸6時間。大動脈不通の影響は大きく、同じ行程で引き返した人たちは一様にぐったりとした表情を浮かべた。

(文化部・八重樫慎之介、整理部・内城俊充)

 盛岡駅を午前9時26分に出発し、仙台駅手前の車内で「停電」とのアナウンス。無事に到着はしたが出発が遅れた。すぐに復旧するだろうと思っていた。ところが福島駅付近でストップし、11時ごろ同駅に臨時停車。架線トラブルにより復旧のめどが立たない旨が放送で伝えられた。車内は停電せず、乗客は落ち着いた様子だった。

 11時35分ごろ、在来線に乗り換える乗客に限り降車できると呼びかけられた。戸惑いが広がりつつも、徐々に新幹線出口へと長い列ができた。車内のデッキやホームで乗客は、スマートフォンで仕事や旅行の予定変更を相談したり、ニュースを確認したり…。家族と連絡を取る姿も目立った。

 午後0時半過ぎ、福島駅から東北線下り普通列車に乗車。ワンマンカーは同じように乗り換えた客で混雑した。白石駅(宮城県白石市)で乗り換え、午後2時過ぎ、仙台駅に到着した。

 新青森駅行きの臨時の新幹線(各駅停車)が午後3時50分ごろ、仙台駅ホームから発車。午後5時ごろ、ようやく戻った盛岡駅ホームは新青森方面へ向かう人も多く、乗降客で混み合っていた。机を並べた臨時「窓口」が設けられ、駅員が慌ただしく対応した。

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