八王子市長選挙 自公推薦候補が初当選

1月21日に投開票を迎えた八王子市長選挙は、裏金事件での逆風のなか、自民公明が推薦する候補が初当選を果たしました。

(初宿和夫氏)
「この選挙戦、非常に厳しかった、そういう実感はございます。なかには厳しい声もありました。でも諦めず、ひとりひとり話をして、多くの方々に支えてもらった」

八王子市長選挙は、自民・公明が推薦した元東京都職員の初宿和夫さんが、立民・共産・社民などが支持した滝田泰彦さんを6645票差で破り、初当選を果たしました。

(滝田泰彦氏)
「八王子の街をもっと良くしていこうという機会を、私がしっかりと形にできなかったこと、本当に私自身残念に思ってるし、力が及ばなかったこと皆さまに申し訳ないと…」

今回の八王子市長選挙の投票率は38.66%で、前回を7.2ポイント上回りました。

(森田キャスター)
ここからは、八王子市長選挙を取材した白井記者とお伝えします。
当選した初宿さんの支援者へのあいさつを聞くと、今回の選挙戦が、厳しい戦いだったことが伝わってきました。選挙のポイントはどこにあったと思いますか?

(白井記者)
ポイントは萩生田議員の「逆風」と小池知事による「追い風」の2つと言えそうです。初宿さんの陣営には、八王子を地盤とする萩生田衆議院議員が入っていて、裏金問題の批判を受けながらの選挙戦となりました。1月21日、初宿さんの当選が決まると、萩生田議員は安堵の表情を浮かべながら、次のように話しました。

(萩生田議員)
「本来でしたら追い風を送らないとならない私が、ブレーキになってしまって、大切な選挙戦で重い影を残してしまった。今度こそ国政から追い風を送れるように私も頑張ります。」
(白井記者)
選挙が始まる前の情勢では、滝田さんが初宿さんをリードしているという情報が入っていました。それを物語るように、告示日に萩生田議員は記者団に対し、「俺は逆風、大逆風だ」と、劣勢の状況をもらしていました。

選挙戦は序盤から中盤と私も選対関係者を取材しましたが、国政の影響を払拭するのは難しいなど、各所で苦戦の様子が伝わってきました。

(森田キャスター)
こうした状況の中、流れが変わったきっかけはなんだったのでしょう?

(白井記者)
勝敗を分けたのは小池知事の応援とみられます。選挙直前の定例会見では、小池知事は応援への態度を明確にしていませんでしたが、選挙終盤の19日、小池知事は応援に入りました。八王子駅前の応援演説にはかつての「小池旋風」を彷彿させるほど、多くの人が集まり、耳を傾けていました。

なかでも私が小池知事の選挙の巧みさを感じたのは、「公明党と進めた政策」をアピールしたことです。

(小池知事)
「自民党公明党の皆さんから様々なご要望を盛り込んだ一般会計予算を発表することとしている。そして、公明党さんから強い要望があったのは、第一子の保育料の無償にしていこうということだ」

八王子市は創価大学などの施設もあり、そもそも公明党票が潜在的に多いんです。小池知事はこうした「公明党と進めた政策」を実績として掲げることで、公明党票の支持を固めたという見方ができそうです。陣営の話では、小池知事の応援がターニングポイントとなり、初宿さんが巻き返しを始めたということでした。

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