あきれた夫婦、窃盗グループの盗品を買い取っていた…書類送検 夫は「おたからや戸塚東店」の経営者 身分証なく日本語書けない外国客、本来取引できないが…売り上げを上げたくて 泥棒「身分確認なく売れた」 妻「どうにかなるかと」

貴金属買い取り業者の夫婦逮捕=川口市

 古物を買い取る際に、売り主の身分確認をしなかったなどとして、埼玉県警捜査3課と浦和署は22日、古物営業法違反と有印私文書偽造の疑いで、川口市戸塚東1丁目、貴金属買い取り業者「おたからや戸塚東店」社長の男(50)と妻で同社員の女(44)=いずれも川口市=をさいたま地検に書類送検した。法人としての同社も書類送検した。買い取った古物は、県警が摘発したトルコ籍の窃盗グループが空き家から持ち出した金貨などの盗品だった。

 書類送検容疑は共謀の上、昨年8月16日、来店したトルコ人の男(21)らから金貨やネックレスなどを代金170万円で買い取る際、住所や氏名など身分確認をせず、帳簿にも記録しなかった疑い。さらに取引内容を別日の取引時の出品伝票に記載するなどして正規に買い取ったように出金伝票1枚を偽造した疑い。

 捜査3課によると、県警が昨年9月に住居侵入容疑などで逮捕したトルコ人4人の携帯電話の解析や盗品捜査で処分先として同店が浮上。店舗の捜索や聴取から違反事実を特定した。盗品とは知らずに買い取っていたとみられる。

 社長の男は「外国人客は身分証を持ってなかったり、日本語を書けないことが多く、その場合は取引できないことは分かっていたが、店の売り上げを上げるためにやっていた」と容疑を認め、女は「帳簿に書かなくても、どうにかなるぐらいにしか思っていなかった」と説明している。

 逮捕されたトルコ人の一部は「身分確認をされずに売却できたので、複数回持ち込んだ」という趣旨の供述をしていて、県警は余罪があるとみて、捜査している。

 古物営業法は古物を買い取る際に売り主の住所、氏名、職業、年齢を確認するように定めている。

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