新幹線ストップ…大宮駅で混雑、座り込む人々「まさかこんなことに」 飛行機、特急は座席が埋まり「困った」 熊谷駅も改札封鎖「想定外びっくり、考えてもいなかった」

カラーコーンやバーで封鎖された新幹線改札口=23日正午ごろ、熊谷市筑波2丁目のJR熊谷駅

 埼玉県さいたま市大宮区の大宮駅は停電の影響で、新幹線に乗る予定だった乗客で混雑した。スーツケースなどの大きな荷物を持って電光掲示板を眺める人や、座り込んで運転再開を待つ人が多くいた。駅員は在来線への移動を促していた。

 東京都調布市の会社員金子正明さん(44)は出張で仙台へ向かう予定だった。同じく仙台に向かう予定の同僚から停電の知らせを聞き、「どれくらいの影響があるのか情報がなく不安だった」と話した。代替案を探すも、上野から仙台方面への特急は埋まっており、落ち着いて考え直すという。

 孫に会いに来た帰りという福島県郡山市の主婦、白石由美子さん(68)。午前11時半ごろに駅に着き、初めて新幹線が止まっていることに気が付いた。「びっくりした。まさかこんなことになるとは思っていなかった。郡山までは在来線で3時間以上かかるのでもう1泊するかもしれない」と慌てた様子だった。

 23日に山形市で仕事があったという東京都世田谷区の会社員今井章文さん(42)は午前10時ごろに駅に到着し、駅で停電を知った。飛行機や特急を探すが座席は埋まっており、「困った。最初は軽いもので、すぐ復旧するだろうと思っていた。どうにかして仙台までは行きたい」と話していた。

 熊谷市筑波の熊谷駅の新幹線改札口では、改札がカラーコーンやバーで封鎖されていた。新幹線の運転を見合わせていて、再開の見込みは立っておらず、在来線の利用を呼びかけるボードも設置。新幹線の利用を予定していた乗客たちは困惑した様子で、駅員に詳細を聞いたり、高崎線に乗り換えたりしていた。

 スーツケースを持っていた会社員の黒田裕久さん(47)は「出張で九州に行く予定だったが、ちょっとびっくり。遅延はあるかなと思ったが、運転の見合わせは想定外で、考えてもいなかった。高崎線で東京まで行くしかない」と語った。会社員の小林佳弘さん(43)も「都内に出勤中だったが、しょうがない。高崎線に乗り換えて行くが、帰りまでには復旧してくれれば」と話していた。

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