容姿の中傷、脅かし、ネグレクト…不適切保育を主導の元所長ら2人を停職処分 熊谷市「再発防止に全力」

熊谷市役所=埼玉県熊谷市宮町

 埼玉県熊谷市立吉見保育所で不適切保育が行われていた問題で、市は23日、不適切保育を主導したとして、22日付で同保育所前所長で保育課付副課長の女性(51)を停職6カ月、同保育所前主幹で同課付主幹の女性(49)を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 市によると、2022年度から23年12月までの間、入所園児19人に不適切保育を実施。容姿を中傷する言動や園児の行為に自尊心を傷つけるような失笑、必要以上に大きな声での脅かしや叱責(しっせき)などの心理的虐待、泣きやまない園児を一人で放置するなどのネグレクト(育児放棄)に当たる不適切保育を主導した。前所長は園児の太ももを平手でたたいたことも確認された。

 また0、1歳児クラスを担当していた会計年度任用職員5人を文書注意の訓告処分、管理監督責任として、22年度と現在の福祉部長と保育課長の計4人を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。小林哲也市長と業務を管轄す る長谷川泉副市長も2、3月分の給料を10分の1減額する。

 小林市長は「今後、再発防止に全力を尽くすとともに、全ての職員に改めて綱紀の粛正を徹底し、信頼回復に取り組んでいく」とコメントした。

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