松山英樹の西海岸4連戦がスタート 降下中の世界ランクは「頑張って上げないと」

トリーパインズの“剛ラフ”でみっちり練習(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 事前(23日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇ サウスコース(7765yd)、ノースコース(7258yd、いずれもパー72)

2024年シーズンの西海岸シリーズ2戦目は、選手たちにとって少し捉え方が異なる。例年は米国本土での初戦を当地サンディエゴで迎える選手は多いが、翌週の「AT&Tペブルビーチプロアマ」が昇格試合になったことで、今大会をスキップする選手が増えた。今週のフィールドで世界ランキング最上位は、地元サンディエゴ出身のザンダー・シャウフェレ(同ランク5位)。この地にゆかりの深いシャウフェレですら、試合のエントリーギリギリまで悩んで出場を決めたほどだった。

その中でも、松山英樹は迷わずに出場を決めた。「ペブルビーチプロアマ」の翌週には過去2勝と相性の良い「WMフェニックスオープン」が控え、さらにその翌週には昇格試合の「ジェネシス招待」が開催される。ファーマーズから4連戦とタフなスケジュールになる見込みだが、「ワールドランクが下がっているので一回頑張って上げないと」と、現在53位にいる世界ランク浮上も理由のひとつ。なかなか成績の出ない今の状況を考えると、一つでも試合に出て早く結果をつかみたいのだろう。

プロアマ戦はサウスコースをプレー。18番でティショットを放つ(撮影/服部謙二郎)

アメリカでの戦いもことしで11年目。2014年からこれまでメジャー1勝を含む8勝を挙げてきたが、昨年は優勝には届かず、トップ10も2回と不本意な一年を過ごした。世界ランクも後退が続いており、浮上のきっかけをつかめずにいる。

1月上旬のハワイ2連戦は58位と30位。調子は上がってきているのに結果が出ないというもどかしさを感じているようで、「(ショットに関して)そんな心配するような感じではないですけど、この成績しか出ていないですからね…。(プロアマ戦の)今日もフェアウェイに一回も行ってないし」と自嘲気味に話す。それでも「ラウンドの最後になっていくにつれてスイングはまとまってきていた。いい方向に向かっていると思います」と、ショットにある程度の手ごたえを感じているからこそ、余計に“早く試合で”という思いが募るのだろう。

18番グリーンで黒宮コーチとラインについて話す(撮影/服部謙二郎)

いよいよ米国本土での戦いが始まり、結果を求めて鼻息も荒くなるところだが、「いつも通り、変わらずやりますよ」と、あえてはやる気持ちを静めているようだった。プロアマ戦が終わった後には、いつものようにパッティング、ショットと淡々と練習をこなし、ひとしきり球を打って練習場を後にした。過去に幾度となく回った勝手知ったるトリーパインズで、浮上のきっかけをつかめるか。

松山はあすの初日、ジャスティン・ローズ(イングランド)とルドビグ・アバーグ(スウェーデン)と同組で午前9時23分(日本時間25日午前2時23分)にノースコースからスタートする。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/服部謙二郎)

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